ティロロからナトゥルノに移動して、翌朝も再び、目指すは上!
ロープウェイの駅は何と無人。切符売り場もなく、運転もすべて上のステーションで管理しているらしい。すごいのは、時刻表では30分おきの運行になっているのだが、ある程度人数がそろえば、その間にも出発するようになっている。う~ん、イタリアじゃあり得ない・・・。
あっという間に、ぐんぐん上へ。下駅(ナトゥルノ)標高545m、上駅Unterstellは1300m。
前日の「上空散歩」に気をよくして、今日はもう少し行けるかも?と言いつつ、歩き始める。コース24なら、途中にいくつもレストハウスがあるから、行けるとこまで行って帰ってこよう、ということに。
初めは、落葉松林の中。岩のごつごつといい、アップダウンも前日よりあって「山歩き」気分満載。落葉松の向こうに、ナトゥルノの町が見下ろせる。
途中で、突然出会う水道管(推定)。
カウベルの音がするね、といいつつ歩いて林を抜けると、今度は一面、牧場の風景が広がり、牛さん発見。お食事中のところ、邪魔しないように横を歩いていくのだが・・・
まだ若いらしい、この牛さんは人間の通路をふさいでどかーん・・・。
そして、第1チェック・ポイント、Innerforch、1470m。
これは何の実?
それにしても、い~いお天気。
第2チェック・ポイント、Galmein, 1384m。
妙にモダンで頑丈そうな、こわくない吊り橋を渡って・・・
第3チェック・ポイント、Grub, 1377m。
ここからは、車も通れる広い道、かなり急な坂道を再び上る。
第4チェック・ポイント、hof。これはレストランや宿泊などのマークがついていないから、おそらくふつうの農家と思われる。
1つ、カーブをぐるっと上ったところが、第5チェック・ポイント、Pirch, 1445m。(写真撮り忘れ)
そしていよいよ・・・
もう1カーブ上がったところが、この日の最大目標地、Schnatz, 1535m。
お爺さんが耕している畑には、まるまると太ったキャベツがたくさん!
ここから上は、ちょっとした登山コース。
でも実はここまで車道もあるから、ここに車を置いて、ここからさらに上を目指すこともできる。
私たちは、テラス席で昼食。
自家製サラミの前菜。サラミはもちろん、パンもピクルスもおいしい。
そして・・・
この地方に来たら、一度は食べなきゃ、のカネデルリ(Canederli)。
ほうれん草のカネデルリ、本体もだけど、上にかかっているチーズがおいし~い!!!
付け合わせのレタスとキャベツ、どちらもぷりっぷり。おじいさんの畑のかな・・・。
何もかも、おいしくって、しかも安い。ここで作っているものを、そのまま出しているのだから、当たり前といえば当たり前なのだが、山=不便=高い、という思い込みが、あっさり覆されてしまう。
感心するのは、前日同様、どこもきちんと整備されていて、こうして素人でもいきなり歩いて、とりあえず(よほど悪天候に見舞われたりしなければ)大きな危険や困難に見舞われることはない。そして、たとえばこのコースの場合、どこでも途中でやめて引き返したり、違う道をたどって別の方向へ行くことも可能だし、案外車道も適度に整備されている。決められたコースを誰もが一律にがむしゃらに歩くのではなく、あくまでもそれぞれが自分たちのペースで山を楽しむことができるようになっている。
自然を満喫しているようでいて、実は緻密に計算されたお膳立ての上に成り立った、「エクスカーション天国」。
イタリア語でアルト・アディジェ(Alto Adige)、ドイツ語で南チロル(Südtirol)。ここはイタリアであって、やっぱりイタリアではないようだ・・・。
(もはやいうまでもないことだが、どこへ行ってもお手洗いがきれいで、鍵がかかり、便座があり、紙があり、きちんと水が流れた。)
おまけ:
りんご畑の中にあるロープウェイ乗り場、横っちょにこんなもの発見。上でしぼったミルクをどうやらこれで下ろすらしい。
23 agosto 2010