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ヴェネツィア ときどき イタリア

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動物たちの「オアシス」、アルベローニの砂丘(Dune)

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世界「文化」遺産の町として知られるヴェネツィアだが、ユネスコ世界遺産登録の正式な名称は「ヴェネツィアとその潟」。ヴェネツィアを含むラグーナ(laguna、潟)一帯は、自然保護地帯でもある。
先日訪れた、リド島のアルベローニには、WWF(世界自然保護基金)の定める砂丘「オアシス」(Oasi WWF Dune degli Alberoni)がある。その自然公園とでもいうべき「オアシス」は、誰でも自由に入場・見学可能らしいのだが、この3月から9月にかけて、週末に、「ガイド・ツアー」が行われている。

日曜日の朝10:45、アルベローニの海の家前にある、WWFの小屋集合、参加費用は6ユーロ。この日の参加者は、年配の女性2人組、若いカップル1組、そして私。




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(地図2点は、http://www.tron.vi.it/ScuoleInRete/sentierididattici.nsf/7dea28c5ccc90d42c1256b56004b697a/37fe804d234b0c54c1256bbc0079a010?OpenDocument から拝借)

ヴェネツィアを外海から守るように、防波堤のように存在するリド島の南端、アルベローニ。さっさと歩けば30分もかからない、ほんの小さなエリアの中に、幾つもの自然条件の違いが存在するらしい。

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まず、入口の小道。

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ここはもともと、海と陸の境目だったところ。15世紀以降、要塞が存在した。1850年に、オーストリア人が船の出入りを容易化するために、堤防を作ったが、その後、19世紀末から20世紀にかけて、ドゥーネ(Dune、砂丘)が発達したらしい。
20世紀に入って、その向こう側にはヴェネツィアで唯一のゴルフ場が作られた。

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松林は、オーストリア人たちが植えた、つまり人工的なもの。実際、多くの松たちが合わない風土にあえいでいるのがわかる。
一方、やはりもともと持ち込まれたものにも関わらず、たくましく根付いて、すっかり繁殖しているのがニセアカシア。・・・と、1つ1つ手にとって説明してくれるガイドのパオラさん(・・・だったと思う・・・汗)。

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ここは、その気候のため、多くの動植物の生活の場であるほか、ヨーロッパとアフリカの間の中継地点として、渡り鳥の「オアシス」となっている。今回は珍しい動物には出会えず(ほんとはそれも期待していたのだが)、というのも、動物等を観察するには、夜中や早朝に行動しなくてはならないらしい。
その動物の環境を守るためには、ただ、あるものを囲って保存するだけではなくて、より適切な植生に戻してやるため、成長しすぎた木や痛んだ木を手入れし、土地に合った木を少しずつ植えていくのだそう。

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名前を忘れてしまったが(メモをとったはずなのだが、たくさん名前を書きすぎていて、どれがどれだかわからなくなってしまった・・・以下同様)、長さが10cm以上にもなるトゲを持つこの木は、やはりオーストリア人によって、要塞の周りに鉄条網代わりに植えられた。今はそれが飛び火して、このエリアでも多く育っている。

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小さな野生のカエデ。

そして、森を抜けると、急に陽射しの強い、乾燥したエリアに出る。地面の色も違う。

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だがよく見ると、こんな、星砂を散らかしたような苔にもある。

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が、ここで目立ってくるのが、「ラヴェンナ葦」。

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ドゥーネ(砂丘)は、風によって形成される。だから、まっ平らな土地のようでいて、実は結構、起伏がある。

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そしていよいよ、第1ドゥーネ地区。
植物の葉が肉厚になるのは、言うまでもなく水分を体内にため込むため。

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・・・と、ラズベリー発見!

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もう一度丘を越え・・・

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おお、ようやくブッシュの向こうに海が!

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ここまでくると、もやは下は完全に砂地。
そして、その砂漠環境でたくましく生きる植物たち。

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これらが、こんな風に集まって・・・

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ドゥーネを構成する。

問題は、人間との共存。ビーチ・リゾートであるこの砂浜、「ごみだらけで汚い」と問題になったらしいのだが、「ごみ」と言われたのは実は、海藻やせいぜい木材のなれの果て。これこそ、ドゥーネ形成の初めの第一歩であり、これらを取り去ってしまっては、ドゥーネは育たない。

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面白かったのは、こちら。

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動物たちのための特別保護地域は、大きな看板もなしに、ロープに、読めないほどの紙が一枚ぺらった貼っただけで囲ってある。「立ち入り禁止」「希少動物保護地帯」など表記すると、よけいに入る輩がいるから、だそう。こうすることによって、無駄に人の関心を引かずに目的が保たれるらしい。

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こうして1つ1つ説明を聞きながら、ゆっくり歩いて1時間半ほど。いかに狭い範囲に、いろいろな植生が詰まっているか、よくわかる。

・・・これもヴェネツィア。

問い合わせは、

Comitato di Gestione Oasi Wwf delle Dune degli Alberoni
Via Bonaiuti 38, 30171 Venezia Mestre,
alberoni@wwf.it, tel 348 2686472

Wwf Veneto, Via Bonaiuti 38, 30171 Mestre,
tel 041971384, veneto@wwf.it

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12 settembre 2010
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by fumieve | 2010-09-13 08:23 | ヴェネツィア
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