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「旅」の旅5・ティロロ城礼拝堂

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中世ロマネスク様式の教会や修道院が多く残る南チロル地方だが、「旅」のページのために厳選されたのは4カ所。テルメーノのサン・ジャコモ教会ナトゥルノのサン・プロコロ教会アッピアーノ城礼拝堂と、もう1つが、このティロロ城の礼拝堂だった。




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領主の城の中とはいえ、2階建てになったこの礼拝堂は、1階は町民に開放されていたらしい。14世紀の改築の際に描かれた礼拝堂内のフレスコ画もそれなりに興味深いのだが、ティロロ城を唯一無二の存在にしているのは、その扉口彫刻群。

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扉口自体が作られたのは、1138年ごろとされているが、大聖堂でもない、一礼拝堂になぜここまでの彫刻装飾を施したのか、そして全体のテーマは?など、謎が多い。

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決して大きくはない入口を飾る、その彫刻の存在感というか、迫力は圧倒的。
もちろん、主題が明らかなものもある。
まず、ルネッタには、キリストの十字架降下。

向かって左側には、アダムとイブと・・・まるでドラゴンのような蛇。

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ライオンの口から羊を開放するダビデ、と、旧約聖書のテーマが並ぶ。

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そして、多頭動物やグリフィンなど、創造力豊かな動物たちは、テルメーノのフレスコ画でも見たように、この時代の定番。二股の人魚もしかり。

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二頭身か、せいぜい三頭身の原始的な人間の姿や、ほとんど形式化した不思議な動物たちの丸彫りに近い彫刻は、モデナの大聖堂(自分で見たことないのだが・・・行かなければ!!!)のファサードや、パルマの洗礼堂などを思わせる。だが、それらは、それらと比較してもやっぱり、大聖堂でなく、プライベートの一礼拝堂になぜ?・・・という疑問が残る。

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2連、3連のアーチになった開口部を支える柱頭も、ひそかにへんてこりんな動物たちで埋め尽くされている。

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さらに面白いのは、建物自体の扉口も、似たような彫刻で飾られていること。(その後の改築・増築により、現在は室内になっている)

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そして、同時期に作られたにも関わらず、こちらのほうは明らかに、彫刻がよりプリミティブ。こちらを彫った彫刻家(または職人)は、丸彫りができないどころか、表現力も弱い。

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どちらかと言うと、中世初期の、チヴィダーレなどで見られるロンゴバルド族の彫刻を思い起こすが、果たして何らかの関係や影響があったのかどうか・・・。

お城全体が、現在は県立博物館になっている。
取材で訪れたときには、礼拝堂しか見られなかったので、今度は博物館もゆっくり見てみたい。

Castel Tirolo
Museo storico-culturale della Provincia di Bolzano Castel Tirolo
Via Castello 24, Tirolo
Tel. 0423 220221
www.casteltirolo.it

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24 settembre 2010
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by fumieve | 2010-09-25 08:36 | ほかのイタリア
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