ブログトップ

ヴェネツィア ときどき イタリア

fumiemve.exblog.jp

色の洪水、模様の競演~ラヴェンナ再訪

a0091348_4493243.jpg


ヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂を訪れると、5つのクーポラから天井全体を覆う金のモザイク、壁を飾る大理石の模様、さらに色大理石を使った床・・・と、その色のゴチャゴチャぶりにびっくりされるだろう。
特に、無や空、静に美を見出す伝統を持つ日本人にとっては、色の洪水のようなこの室内に違和感を覚える方も多いかもしれない。
実際、ヴェネツィア人たちは、イタリアの中でもどうやら一段と「色キチ」「装飾好き」であったらしく、そのために、フィレンツェを中心に起きたルネサンス文化、円や正方形を使ったすっきりとしたモチーフで、クラシックな柱、シンプルな白壁をよしとした建築の導入が遅れた、とされる。




a0091348_4392814.jpg


その色キチの起源は、ここラヴェンナに見出すことができる。
サン・ヴィターレ聖堂。後陣全体を覆う、金と色ガラスを使ったモザイク(写真一番上)。床は大理石を使ったモザイク模様または、同じく大理石による一種のモザイクであるオプス・セクティレ(opus sectile)と呼ばれる幾何学模様。これは、後陣壁の一番下にも使われている。聖堂全体の壁は、やはり大理石だがこちらはモザイクではなく、模様のある大きな石を2枚、4枚・・・と割って、その模様を対称的に貼り合わせて見せたもの。(ついでに言うと、中央クーポラは18世紀のフレスコ画。)
ほんとうにゴチャゴチャ、だが、この色と模様、さまざまな技法の競演が、この空間の迫力と荘厳さを生み出している。

a0091348_4404111.jpg


そんなヴェネツィアの原型を見るラヴェンナのモザイクは、ローマの伝統とビザンツの影響のミックス。クーポラや壁のメインの「絵」の部分はもちろん、壁のフリーズやアーチの内側など、いろいろ凝った模様が見られて、それだけでも面白い。

a0091348_441225.jpg


たとえば、ガッラ・プラチディア廟。フルーツの籠をモチーフにしたクラシックな模様があるかと思えば、要塞(?)なのか何なのか、インベーダー・ゲーム(古い!!!)みたいな不思議な模様も。

a0091348_4414922.jpg


アリウス派洗礼堂は、クーポラ以外にモザイクは残らず、わずかに痕跡があるのは、数世紀後のフレスコ画による装飾のみ。

a0091348_442231.jpg


対称的に、縁どり模様が最も豪華なのは、ネオニアーノ洗礼堂。どうやったらうまく全部写真が撮れるか、カメラを持つ手にもついつい力が入ってしまう。

a0091348_443747.jpg


a0091348_443518.jpg


a0091348_4441269.jpg


a0091348_4443465.jpg


サンタポッリナーレ・ヌオーヴォでは、高いところにあって見づらいが、正面に向かって右壁の窓枠アーチは、やはりすべてモザイクで飾られていて、それも1つ1つ模様が違う。

a0091348_4503073.jpg


左壁の窓は残念ながらそれが失われているが、その代わり、ずらりと並ぶ聖女たちの、金色の服と下に垂れさがる帯状のものの、やはり模様がみんな違うことに注目。

a0091348_451184.jpg


ちょうど1年ぶりのラヴェンナ。
憧れのモザイクにただただ圧倒された1回目、限られた時間で、ともかく少しでも多く目にして写真におさめなくては、と貪欲だった2回目の去年に比べて、今回はようやく、じっくり落ち着いて、あらためてモザイクの美しさ、楽しさを味わった。

ちょっと遠い、サンタアポッリナーレ・イン・クラッセは今回は残念ながら割愛。
そして、昨年は工事中で入れなかったサンタンドレア礼拝堂は、新しくきれいになって見学可能になっていたが、司教区博物館の中にあるため、写真撮影禁止になってしまった。それでも、上階の「モザイクの部屋」(Sala di Mosaici)、とくに「祈りのマリア」(Vergine Orante)は必見。

a0091348_438278.jpg


27 settembre 2010
[PR]
by fumieve | 2010-09-28 07:36 | ほかのイタリア
<< 美しい町ラヴェンナのカワイくて... ここはどこでしょう? >>