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ヴェネツィア ときどき イタリア

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「ため息の橋」でため息・・・

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ヴェネツィアの観光名所の1つ、「ため息の橋」。
かつてのヴェネツィア共和国の政庁であったパラッツォ・ドゥカーレ(Palazzo Ducale、総督館)と、お隣の牢獄を結ぶ。ロマンチックな名前と裏腹に、有罪判決を受けて牢屋に送られる囚人が、この橋を渡りながら、そのレース状の小さな窓の隙間からサン・マルコ湾を眺めて「ああ、私はもう二度とこの美しいラグーナを目にすることはあるまい・・・」とため息をついたのが由来とされる。橋の設計者も、粋な計らいをしたというのか、むごい仕打ちをしたというのか・・・。
現在はその牢獄も、パラッツォ・ドゥカーレの見学コースに入っているから、私たちはこの橋を渡って、中から湾を眺め、そして幸いなことにもう一度この橋を逆に渡って、外の世界に戻ることができる。

中から覗いてみた人も、パラッツォ・ドゥカーレの見学は割愛した人も、とりあえずこの橋を見にやってきて、写真を撮っていくから、この橋のちょうど正面にある橋の上は、いつもたくさんの観光客でにぎわっているのだが・・・。

そうして見に来た世界中の観光客が、100人中100人、100%びっくりする。
右も左も、上も下も、見事に広告の看板に覆われていて、肝心の橋までもまるでその中に描かれているかのように見えるから。




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この広告、実は数カ月ごとにしっかり入れ代わっていて、つい最近また新しくなったようなのだが、よく見ると下の方にちゃんと、「このスペースを得ることによって、同XX銀行はパラッツォ・ドゥカーレの修復に貢献しています」と書いてある。

世界の観光地が何たること、これでは文化遺産が泣く・・・と、内外から非難轟々のヴェネツィア。今日、ヴェネツィアのオルソーニ市長はローマの外国人記者クラブにて、釈明会見を行った。

「巨大広告は、ヴェネツィアの救済にとってなくてはならないもの。
ヴェネツィアには、文化財省の規定により保護が指定されている建物が約3,500ある。そのうち、現在、外装または内装の修復が必要とされているものが1,000件。スポンサーによる広告に覆われているのは、その中のたった6件でしかない。
他の町と違いヴェネツィアでは、それ以外の巨大広告を一切認めておらず、また、広告を載せるのも、工事現場を覆う幕の表面積の10%までと限られている。

(批難の中心である)パラッツォ・ドゥカーレについては、280万ユーロの支出が見込まれているが、施工業者Dottor Groupから直接入るのはそのほんの一部である70万ユーロであり(注:ここのとこ、なぜ施工業者「から」となっているのか不明)、彼らはその不足分について自力でスポンサーを募って補てんしなくてはならない。(そうなの?そういうもの???)
巨大広告が、工事の遅れを隠しているというのは嘘。工事終了は契約上2011年10月であり、そのときにすべて取り払われることになろう。

特別法のなかで文化遺産保護に関する記述のため、直近18年間、ヴェネツィア市には年平均6900万ユーロの予算配分があったが、実際に必要な支出は1億800万ユーロに上る。さらなる問題は、ここ10年の間、その配分は常に削減され続け、2009年にいたってはわずか330万ユーロにとどまった。
2008年に行われた試算によると、町全体の文化遺産をすべて修復するには、17億9400万ユーロ以上が必要。ヴェネツィアにもたらされる国家予算は、海の中のほんの1滴にしかすぎない。
2007年以降、ヴェネツィア市はこの巨大広告から、パラッツォ・ドゥカーレをのぞいておよそ420万ユーロを徴収した。」

とはいえ、確かに、現在の状態はかなりひどい。

・・・世界中のガイドブックが、修復が終わるまで、この橋を見どころから削除する、または、それが無理ならせめて、お勧め度の星を最大から1つに減らしたらどうだろう?
この橋に固執しなくとも、ヴェネツィアには見どころがもっともっとたくさん、いくらでもある。
そこを目指して見に来る人が減れば、広告の効果も少し減るから、派手な広告を出すのも少し考え直すことになるのではないだろうか?

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13 ottobre 2010
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by fumieve | 2010-10-14 08:49 | ヴェネツィア
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