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ヴェネツィア ときどき イタリア

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イタリアの伝統産業

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Wikipediaによると、それはもともと、イタリアで古くから栽培されていたもので、特に起源後10世紀ごろ、のちに海洋4共和国と呼ばれる、アマルフィ、ジェノヴァ、ピサ、そしてヴェネツィアが地中海で覇権を争った時代に大きく普及することになった。

彼らの軍用船の上では主に、その旗や、綱の材料として大いに活躍、一方、その昔から家庭での利用も多く、とくに銅の錆色と緑色の2色をプリントしたテーブルクロスは、今でもロマーニャ地方の特産品として知られている。
1876年には、国立の生産所が毛織物と並んで株式上場したが、これはイタリアの中でももっとも古い企業の1つである。




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その産物とは、イタリア語でcanapa(カナパ、複数形でcanape、カナペ)。
昨日の写真は、canapaの茎をたたいて開いて、繊維を取り出すための道具、というのが答え。
で、当時の農民たちは、いつも楽しく朗らかに歌いながらこの作業をやっていたらしい。

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それもそのはず、canapaは、日本語で言うところの「大麻」、つまり、マリファナの原料。
ここでWikipediaをそのまま引用すると、
「葉や花にはテトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれ、これをヒトが摂取すると陶酔する。根や茎以外の、薬効成分を多く含んだ花穂や葉を乾燥した物(通称マリファナ)や、同部分から抽出した樹脂(通称ハシシ)はTHCを含有・・・」
いわゆるヤクの成分となる、THCが多く含まれるのは葉や花だが、茎にだって、THCが全くないはずはない。

・・・つまり、みなさん、知ってか知らずか、作業をしながらラリっちゃっていた、と・・・。
まあ、楽しく仕事ができるというのは、考えようによってはいいのかもしれないが。

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イタリアで重要な農産物であったcanapaだが、ジュートや、そして綿や化学繊維といった新しい競合製品の登場で大きな打撃を受ける。が、さらに決定的となったのは、まさしくこの「麻薬」成分のため。
1975年、インド原産種の栽培が禁止になると同時に、繊維用品種の栽培にも厳しく制限がかかるようになった。生産者のほとんどは、ここで事実上の廃業を余儀なくされる。人件費の高騰と、浸水場による環境汚染問題も追い討ちをかけた。

その後さらに、欧州連合の規制も加わりさらに厳しくなるが、2002年から04年にかけては、イタリア国内での作付け面積が再び拡張している。(Wikiではそれ以降の統計なし。)

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ちなみに、日本では現在、「麻」というと苧麻(ちょま : カラムシ、ラミー)と亜麻(あま、リネン)の2種類を指し、canapa(cannabis sativa)を「大麻」として区別しているが、古来こちらを「麻」と呼んでいたらしい。特別に、繊維用に改良されたものは「ヘンプ」と呼ばれ、 最近ではエコ素材として脚光を浴びている。

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17 ottobre 2010
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by fumieve | 2010-10-18 07:52 | ほかのイタリア
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