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ヴェネツィア ときどき イタリア

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ヴェネツィアのライオン

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今日のヴェネツィアは、数日前までの、曇り空だの嵐だの、アックア・アルタだのが嘘のような、雲1つない青空になった。

ヴェネツィアのシンボル、有翼のライオン。映画祭やビエンナーレの「金獅子賞」のトロフィーでもおなじみのこのライオン、ではなぜ、この有翼のライオンがヴェネツィアのシンボルに?




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(参考:この写真は今年2月のもの)

答えは単純。
有翼のライオンは、聖人マルコのシンボル。マルコを守護聖人に抱くヴェネツィアは、彼のシンボルのライオンを、そのまま自分たちのシンボルとして頂戴した。

キリスト教の聖書のうち、イエス・キリストの言動の記録しているのが、新約聖書の中の福音書。マタイ(イタリア語ではマッテオ、Matteo)、マルコ(Marco)、ルカ(Luca)、ヨハネ(ジョヴァンニ、Giovanni)4人による「福音書」があり、その中で矛盾があったり重複があったりするものの、ともかくキリストの言動を直接記録したもの(あるいは直接見聞きした人から聞きとったもの)として、この4人の聖人は、たくさんいる聖人たちの中
でも、ちょっと格が高い。

で、この4人、それぞれ動物(?)をシンボルに持っていて、教会建築の装飾の中では、フレスコ画だろうが油彩だろうが彫刻だろうが、彼らはしばしば、そのシンボルを伴って描かれている。

ジョヴァンニは鷲。

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ルカが牛。

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マッテオは天使、

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そしてご存知マルコがライオン。

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(写真が下手で恐縮だが、それぞれ手元の本の中に、ラテン語で名前が書かれている。)

鷲と天使はもともと翼を持っているが、福音書家のシンボルとしては、牛とライオンにも翼がついていることになっている。

上の写真は、ラヴェンナのサン・ヴィターレ聖堂だが、すぐ隣にあるガッラ・プラチディア廟では、聖人の「人」の姿は省略されて、動物たちだけだったりする。

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ヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂の中のモザイクでは、残念ながら福音書家たちはお供なし。だが、彼らはなにしろ「本」の著者だから、こんな風に、椅子に座って、机に向かっている姿で描かれることが多い。

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(1番下の写真のみ、La Basilica di San Marco a Venezia, a cura di Ettore Vio, 2001, Bergamo, Scala から拝借した。)

29 ottobre 2010
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by fumieve | 2010-10-30 06:35 | ヴェネツィア
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