たとえば、定番のグリンピース入りミートソースのタリアテッレ(tagliatelle、平麺)。
たとえば、バターとセージのラヴィオリ(ravioli)。
そしてメインの肉料理も何もかも、ごく普通の家庭で出てくるような、シンプルなものばかり。
デザートのマチェドニア(macedonia、フルーツポンチのこと)にいたっては、新鮮な果物を切って、ちょっとお砂糖を上からふるっただけ。(普通は「マチェドニア」というと、切った果物にお砂糖と水分をかけて1晩ほどおくので、全体に味がしっとりしている。)
もちろん、これがデザートとして成り立つのは、もともとの果物が十分おいしいからなのだが。
チェゼーナで食事をするなら、
雰囲気も味も洗練されたお店もいい、小腹がすいたときには、
ご当地名物ピアディーナを外でほおばるのもいい。だが、イタリア版「おふくろの味」みたいな、こんなお店もまた嬉しい。
このお店、外観は車道に面して全く冴えないし、店内もごく普通(なので写真撮り忘れたくらい)。だが、実は、映画「ライフ・イズ・ビューティフル」(イタリア原題は”La vita è bella”)などの監督・主演で知られるロベルト・ベニーニが時々訪れる店らしい。というのも、やはり彼の映画で常にヒロインを演じ、実生活でも妻であるニコレッタ・ブラスキがここチェゼーナの出身で、2人でときどき里帰りすると、ここへ食事に来るのだとか。
そう言われると、気のおけない、ごくふつうの食堂で、あのベニーニが舞台よろしく、次々と冗談を言いながら、楽しく食事をする様子が目に浮かぶよう。そんなところへ、ばったり行き合わせたら超ラッキー、そうでなくても、お店のおばちゃんたちが、「こないだロベルトがね・・・」などと噂話をしていたら、それはもしかすると、ベニーニのことかもしれない。
Risorante da Pitto
Via Zuccherificio 106
Tel. 0547 22030
土曜定休
13 febbraio 2011