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ヴェネツィア ときどき イタリア

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「抱擁を。わたしたちは、あなたたちのそばにいます。」

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昨夜は出先で、ふだん家では見ることのできない英BBCニュースを、食い入るように眺めていた。

今日の新聞は、軒並み日本の震災がトップ。
日刊紙のうち、ラ・レップブリカ(La Repubblica)紙は、1面から15面まで、被害概要から、原発事故の懸念、東京や町の様子、在住イタリア人の消息、耐震構造の建築物の解説、株式市場、津波の科学的解説、被害状況、オノヨーコさんのメッセージ(翻訳)・・・。





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コリエレ・デッラ・セーラ(Corriere della Sera)紙も同じように1-12面を使って特集しているが、目を引いたのが、吉本ばななさんの著作のイタリア語翻訳で知られる、現在、早稲田大学准教授のアレッサンドロ・ジェレヴィーニ氏の記事。「まるで『風の谷のナウシカ』の中から出てきたようだった」として、避難訓練のなどの説明とともに、自然の脅威を前に、冷静に、悲しみをこらえて淡々と行動する日本人、というような内容で、同じ例として(天災ではないが)井伏鱒二原作による映画「黒い雨」の中にもそれは見られる、としている。
それはそれでいいのだが、宮崎駿さんは確か、「自然の脅威に対し、それを制圧しようとするのが欧米人。一方、それも運命と受け入れ、制圧するのではなく、いかに共存するか、それが驚異的な天災の多いアジアの哲学」という話をされていたことがある。宮崎さんのアニメの例を出すのなら、どうせならそこまで突っ込んでほしかった。

その地方版であるコリエレ・デル・ヴェネト(Corriere del Veneto)によると、ヴェネツィア大学の日本語科の学生10人が日本にいること(4月の新学期に合わせ、120人が留学することになっているらしい!)、彼らのうち何人かがブログなどで無事と、地震のときの様子などを知らせたとのこと。
また、ヴェネツィア大学講師のローザ・カローリさんは東京にいて、「いつもは地震のときにも冷静な日本の人々が、今回はパニックになっているのを見た」。
そして、越川優選手の所属するパドバのバレーボール・チーム、Phytoperformance Padovaは、次節の試合の売り上げの一部を、日本の被災者への義援金にする、らしい。

スポーツ新聞も軒並み日本の震災を特集。ガゼッタ・デッロ・スポロト(Gazzetta dello sport)紙では、1面に大きく、インテルのエトーが長友選手を抱き寄せる写真を掲載。これは前日11日、震災の当日、選手たちが腕に喪章をつけて戦った試合で先制点を決めたエトーが、そのゴールを「長友と日本のみなさんに」捧げたため。

友人が、日本のニュース番組を生で見られるサイトのリストを転送してくれた。

〇TBS
http://ustre.am/kJ3E
〇フジテレビ
http://ustre.am/iEG9
〇NHK
http://ustre.am/vmCj
〇テレビ神奈川
http://ustre.am/vmoL
〇テレビ朝日
http://ustre.am/vnnn

こちらのニュースでもこれだけやっているけれども、日本語で、現地の詳細情報を見て、その恐ろしさに改めてショックを受けている。

連絡がつかずにいる方々が、少しでも早く無事を知らせることができますように。
ライフラインや、食料に不足している方々に、少しでも早く、その全てが届きますように。

“Un abbraccio. Siamo vicini a voi.”
「抱擁を。わたしたちは、あなたたちのそばにいます。」

イタリア語のことばは、そのまま訳すとちょっとクサいけど、身に沁みる。

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12 mar 2011
by fumieve | 2011-03-13 08:54
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