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ビエンナーレ2011・3~街中編・2 アジアの美

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ふだんは公開されていない、お屋敷や教会など古い建物の中を見学できるのもビエンナーレの楽しみの1つだが、今年新たに公開された目玉のうちの1つが先日紹介した、プラダ財団の展示を行っているカ・コルネール・デッラ・レジーナ、そしてもう1つがこの、サン・ジョルジョ修道院(Abbazia di San Giorgio)。
Future Passというタイトルで、アジアの作家を集めた展示が行われている。




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正直のところ、もともとアジアの現代美術で「好き」と思えるものがほとんどないのと、開幕からしばらくの間、カナル・グランデに面したこの建物の正面に展示されていた、ウサギのオブジェが「なんちゃって村上隆」な感じがして、なかなか足を運ぶ気にならなかった。
入ってみた途端に目の前に広がるごちゃごちゃに、やっぱり・・・と、めまいが。

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すっかりきれいに修復されてしまっているとはいえ、隠れたところに建物本来の美しさを見つけてはほっとする。

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「なんちゃって」などと言っていたら、角の部屋には、奈良美智さんの作品が。マンガをアートに高めた、先駆者である奈良さんの作品は、やはり格が違う。

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その続きの部屋は、ホンモノの村上隆さん&カイカイ・キキの作品。

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そして「なんちゃって」。

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カメラにせよ、車にせよ、人が発明したものを真似して、研究して、やがてもっといいものを作ってしまうのが日本人のすごいとこであり、言ってみればちょっと「ずるい」のが日本の文化だというのは十分承知している。
また、マンガやアニメといった日本のサブカルチャーが、もはや世界に通用する一流のアートだというのは疑いようもないし、そこに達するまでの多くの人々の精錬琢磨には心から敬意を表する。

だから、もしかすると、この日本のサブカルのコピー的なものが、やがて日本を越え、世界を圧倒する何かを生み出すのかもしれない。だが、今はまだ、残念ながらそこまで至っていない、と思う。

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狭い廊下にずらりと作品が並ぶ2階もやはり、ついつい窓の外が気になってしまう。

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そして、パロディー的作品がやたら多いのも気になる。

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(ここでもまた、心惹かれるのはヒーターの装飾だったり・・・)

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だが、最後に出会った、Liu JianhuaのHorizonという作品に、はっとした。

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美しい青磁や白磁の器に、ベリー系のゼリーか何かが入っているような、(実は偶然にも、つい最近食べた「チェリー・ソースがけパンナコッタ」にまさに酷似しているのだが)

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それを含めた全部が磁器でできている。どうなっているのだろう・・・?と、見ても見ても飽きない。大きな丸盆、足つきの器、小鉢・・・とサイズも形もさまざまなそれらの集合体は、吹きガラスの窓のまるまる模様を映して涼しげ(・・・で、おいしそう。笑)。で、なにより美しい。

かつて西洋が真似をするのに数世紀もかかった、磁器という「技」、まだまだここにはアジアの美の可能性があると思う。

ここにこの作品があってよかった。

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22 luglio 2011
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by fumieve | 2011-07-23 17:27 | ビエンナーレ2011
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