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ヴェネツィア ときどき イタリア

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ヤコポ・デ・バルバリ 「ヴェネツィア景観図」 今むかし

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ヴェネツィアのガイドブックや歴史書などに目を通された方なら、どこかで一度くらいは見たことがあるのではないだろうか。
ヤコポ・デ・バルバリによるこの景観図は、西暦ちょうど1500年に作られた。
縦135cm、横282cm、版木6枚による木版で、6枚の紙をつなぎ合わせてある。




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その大きさも印象的だが、さらに驚くのはその精密さ。
510年前のヴェネツィアが、一見今と変わらない様子にも驚くが、逆に、今との違いもしっかり観察できる。
例えば現在の観光の中心地、サン・マルコ広場。広場へ向かう玄関口右のパラッツォ・ドゥカーレは、14-15世紀に整えられた外観がほぼ今のまま。聖マルコを示す有翼のライオンと、聖テオドーロののっかった2本の柱もそのまま。だが、その左、現在は1階にカフェなどの並ぶ、現・国立マルチャーナ図書館のある建物(パラッツォ・ドゥカーレと向き合う側の屋根の上に彫像が並んでいる白い建物)は、1537年以降にヤコポ・サンソヴィーノという建築家の設計により建てられたもので、したがって1500年のこの地図には載っていない。
一方、1499年に建てられた時計塔はしっかり描きこまれている。
(時計塔詳細はこちら:1, 2

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あるいは、2年前に安藤忠雄さんが内装設計して現代美術館としてオープンしたプンタ・デッラ・ドガーナ(Punta della Dogana)。当時は税関だったその三角形の建物が見えているが、その隣、今ではヴェネツィアの顔の1つとなっている聖母サルーテ大聖堂はまだ存在していない。
(サルーテ大聖堂とそのお祭りについてはこちら

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今と違うもの、として注目したいのは、リアルト橋(Ponte di Rialto)。
カナル・グランデ(Canal Grande、大運河)にかかる橋、現在ある4つのうち、12世紀から19世紀まで、このリアルト橋のみ。そのリアルト橋も、現在あるのは158-91年にアントニオ・ダ・ポンテ(Antonio Da Ponte)の設計に基づき建造されたもので、この景観図の描かれた1500年にはまだ、木製のはね橋だった。カルパッチョの「リアルトにおける悪魔からの解放(Liberazione dell’indemoniato a Rialto)」に詳細に描かれているのは、前回も紹介した通り。

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今回、日本のヴェネツィア展でこの景観図が紹介されているが、コッレール博物館には、その版木のほうも常設展示されている。

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(写真はwikipediaおよび博物館公式サイトより拝借した。)

13 ottobre 2011
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by fumieve | 2011-10-14 16:06 | ヴェネツィア展
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