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ヴェネツィア ときどき イタリア

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水を制するものは・・・ヴェネツィアの井戸

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ヴェネツィアの町を歩いていると、ちょっとした広場には必ずと言っていいほど、なにやら石のカタマリがぼん!っと置かれているのに気付くだろう。これは、残念ながら今は使われていないが、昔の井戸。といっても、天然の湧き水が出たわけではない。

水の上に人工的に建てられた町ヴェネツィアは、高潮という水との戦いのほかに、淡水、とくに飲料水の確保という切実な問題を抱えていた。
かつて、古代ローマでは、水道橋を建造して、何千、いや、何万キロも遠方から、百万都市でつかう水を確保した。ヴェネツィアの場合は、国が大きくなる前から、ここに住み始めた当初からすぐに必要だったからだろうか、遠方から水を引くのではなく、まず、身近に手に入る、つまり雨水を利用することを考えた。
もちろん、いくら昔だって、雨水そのままでは飲料には使えない。




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今では広場にただ置かれているように見える井筒だが、実はこれ、大掛かりな土木工事の上にできている。
まず、井戸の四隅に、雨水を集めるための穴があって、そこに水がうまく入っていくよう、舗石は軽くその方向に向かって傾いている。穴から入った水は、粘土層、砂地でろ過されて、最終的には水を通さない壁で保護された貯水槽に溜まるという仕組み。

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貴族のお屋敷の中庭や、教会の回廊には必ず専用の井戸が1つあった。
これはヴェネツィアで1,2を争う藤の名所、ヴェネツィア大学本部、カ・フォスカリ(Ca' Foscari)、つまり元フォスカリさん宅の中庭。

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一方、広場にあるのは公共の井戸で、大きな広場には2つ井戸のあるところもある。

今ではすっかり、広場の単なる飾りになってしまっているが、これが実は、いちいちさまざまな彫刻が施されているから面白い。アカンサス柱頭風あり、紋章あり、もちろん聖人もあれば動物や植物模様あり、文字入りあり・・・。
・・・そう思って、いざ写真を!と思って探して歩くと、案外シンプルなものしか見つからない・・・。

四隅の「穴」は、今やなくなっているところが多いが、こうしてそれごと残されているところもある。
こちらはちょっと凝ったパターン。

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西洋ひょっとこの上に、柿の垂れさがるパターンも発見!(顔アップ撮り忘れ・・・)

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今は使われていない井戸は、たいていは金属の蓋がかけられたまま、子どもたちの遊び場になったり、観光
客がちょっとその上で地図を広げたりするよりどころになっている。

たまにはこんな風に、フラワーポットになっていたりするものもあるが、わりと珍しい。

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このヴェネツィアの井戸の仕組みは、「ヴェネツィア展」でより詳しく解説されているほか、町の中ではもう見ることが難しい、9世紀末の井筒が展示されている。最近しつこく紹介している、ロンゴバルド~カロリング朝時代に見られた独断通称「ビスケット彫り」の装飾が写真で見てもすばらしい。コッレール美術館の所蔵品だが、ふだんこちらでは一般公開されておらず、日本で見られるのは貴重。絶対見たーーーい!!!

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(この写真のみ、コッレール博物館のアーカイブより借用)

「ヴェネツィア」展での展示の様子は、こちらのサイトをどうぞ:
弐代目・青い日記帳 「ヴェネツィア展」 

22 ottobre 2011
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by fumieve | 2011-10-23 04:57 | ヴェネツィア展
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