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ヴェネツィア ときどき イタリア

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ひかえめで清楚な「レッチェのバロック」

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ブリンディシ空港からシャトルバスに乗って、町に着いたときにはやはり南だと思った。
岩を積み上げた城壁。その向こうにのぞくまんまるのドーム状のものがとくに、アラブ建築の影響を受けた、パレルモのサン・ジョヴァンニ・デッリ・エレミーティ教会のドームを思い起こさせたせいか。そして乾いた空気と青空。
路線バスに乗り換えて、行き先を告げて、「ここで降りて、この中をつっきって・・・」と言われたところが、あとから県庁だということがわかったのだが、いかにも広々と優雅な空間が、これもまた南らしいと思った。




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町を歩いて、印象が変わった。
最初に思い起こしたパレルモや、同じシチリアのカターニア、あるいはナポリなどに比べると、まず、町が圧倒的に小さい。こじんまりとして、中心部も歩いてすぐに回れてしまう。大きくて豪華なのと同時に、どこか何か、すさんだと言っては失礼だろうか、怪しくうさんくさい(もっと失礼か!)、体のどこかが常にアラームを発しているような、そういう雰囲気がまったくない。入場も制限があるのだろう、少なくとも旧市街を走る車に、ひかれそうなこともなければ、よもやひったくりかと常に背後からのバイクの音に神経を尖らせることもない。だいたい人がみな、穏やかで当たりがよく、親切だ。

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16世紀から18世紀にかけて、レッチェでは、スペインの影響を強く受けた、バロック様式の建築が多く建てられた。今に残る教会やお屋敷などそれらの建物は、「レッチェ風バロック(Barocco leccese)」様式と呼ばれている。

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ギリシャ、ローマの古代建築をもう一度学び、幾何学的にシンプルで合理的な建物を追求したルネサンスから、歪めたりひねったりと建物の形に変化を取り入れたバロックは、絵や彫刻も登場人物たちはみな、大きなジェスチャーや大胆なポーズで、劇的空間を演出している。それを代表するのはもちろんまず、ローマのバロックで、ナヴォナ広場やバルベリーニ広場の噴水を思い出していただければ手っ取り早いだろう。
ところが、この「バロックのレッチェ」のバロックは、思っていたよりもずっと控えめだった。

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確かに、建物のファサードには、これでもか!と彫像が貼り付いていたり、教会の中の礼拝堂も、いちいち彫刻による装飾がついていたり、ごちゃごちゃといえばかなりごちゃごちゃ。
ただ、この、ちょっと黄色がかった石が、いかにも柔らかく彫りやすそうな石が、やさしい印象を与えるからだろうか、それとも、ローマなどではさまざまな色の大理石を組み合わせているのがほとんどなのに、ここではほぼ、この石だけを単色で使っているからだろうか。思っていたほどの圧迫感がなく、むしろバロックにしては清楚な感じがする。筋骨隆々のバロックではなく、女性的なバロック、とでも言おうか。

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・・・そんなレッチェの魅力、まだまだ続きます。

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9 nov 2011
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by fumieve | 2011-11-09 22:11 | ほかのイタリア
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