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多層な楽しみ、レッチェのドォーモ

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美しいバロックの町、レッチェのドォーモ(Duomo、大聖堂)はちょっと変わっている。




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同名の広場に面した、いかにも「バロック」な一見ファサード、だがこれは実は聖堂の脇の入り口。主祭壇に向かって平行した面の、本来なら「ファサード」になるべきところは比較低シンプルな装飾にとどまっている。
初めてここに聖堂が建てられたのは1144年、その後、1230年に一度回改装を経たあと、1659-70年に完全に新しく建て直されている。当時の大司教パッパコーダ(Pappacoda)に仕事を任されたのはグスターヴォ・ジンバロ(Gustavo Zimbalo)、このときに隣の鐘楼も合わせて設計されている。

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3廊式、「バロック」スタイルの内部も美しいのだが、個人的に、より興味を魅かれたのがクリプタ(cripta、地下祭室)。

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ギリシャ十字型(つまり縦横の腕の長さが同じ)、3廊式、1500年に作られたこの祭室は、床にも多色のタイルが敷き詰められ、それだけでも美しい空間なのだが、92本ある円柱の柱頭が見もの。1500年といえば、世間はルネサンス文化華やかりし頃だが、当時の彫刻家たちが、ロマネスク風の柱頭にインスピレーションを受けて彫ったものだという。

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人の顔あり、架空の動物あり、天使あり・・・と多様な柱頭は、まさにロマネスクそのもの。古代ギリシャ、ローマ文化や美術を再評価し、もてはやしたルネサンス時代の彼らが、「闇の」中世の、お手元のロマネスク様式もまた尊重していたのだと思うと中世好きとしてはなんだか嬉しい。
そして、あらためてこうして1つ1つの彫刻を見ると、そういえばレッチェの街中の「バロック」も、ローマの劇的で激情ほとばしるバロック彫刻ではなく、もっと素朴で愛嬌のあるこのロマネスク彫刻から発展したように見えてならない。
レッチェをバロックの町たらしめた特産の石灰石が、純白の大理石に比べるとやや黄味がかっていること、そして何より、やわらかくて彫りやすいが、その分、あまり複雑なことをすると脆そうな、その石の性質によるものかもしれない。

いずれにしても、これがこの地に合った、この地の人々の好みということなのだろう。

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20 novembre 2011
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by fumieve | 2011-11-20 16:23 | ほかのイタリア
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