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ヴェネツィア ときどき イタリア

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ビエンナーレ2011(回想)・15~街中編・7 クリスマスを前に

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ビエンナーレにも、現代美術にも特に興味がない、という方々にも、今年のビエンナーレ参加作品の中でもっともたくさん写真を撮られたのがおそらくウクライナ館の展示ではないだろうか。

Ucraina
Post-vs-Proto-Renaissance
Oksas Mas
Chiesa di San Stae, Chiesa di San Fantin




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ウクライナ「館」というと違和感があるかもしれない。実際はヴェネツィア本島内、2カ所での展示で、その一つが、おそらく最も多くの「興味のない」かもしれない方にも見られたに違いない、サン・スタエ教会前。

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もう一つは、フェニーチェ劇場前のサン・ファンティン教会内。

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もう何年も前のこの時期、寒い寒いベルギーを旅して、その中で、絶対に見たいと思っていたのが、ファン・エイク兄弟による「ゲントの祭壇画」。

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ヴェネツィア絵画にも大きく影響を与えた、フランドル派を代表する画家、ヤン・ファン・エイクは、兄のフーベルトが手掛け始めたこの多翼祭壇画を、1426年に完成させた。

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ここでは、祭壇画そのものの説明は省くが、見たい見たいと思っていた絵は、思っていた以上にまず何よりも美しく、そして部分部分は細密画のように繊細で緻密であるにも関わらず、全体の荘厳な迫力に、ただただため息をつくばかりだったのを覚えている。

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これまでに紹介した、ジャンボローニャの「サビーナの略奪」に文字通り「火をつけた」作品や、ほんもののティントレットの作品など、どこかの新聞評で書かれていたように、今年のビエンナーレはどこか、かつての巨匠の力を再評価するような、そんな傾向が確かにあった。懐古趣味というのとも違うが、現代美術と言うものが、少し足踏みしているというか、また次の方向を模索しているような、そんな年だったのかもしれない。

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ウクライナの展示は、「ゲントの祭壇画」の部分再現。1つ1つ色をつけて模様をつけた木製のタマゴをびっしり並べて、それで点描を描いた。絵つきのタマゴを使った、モザイクといってもいいかもしれない。最近は、おそらくコンピューターを使えば簡単にできるのだろう、絵や写真などの画像を小さくして、それをたくさん並べて絵や写真を浮かび上がらせるという点描というかモザイクのような絵をときどき見かけるが、この作品は、1つの「点」が手描きっぽいところと、そのタマゴをまた一つ一つ並べたのかと思うと、その全体の作業を想像して気が遠くなる。そのせいか、作図自体はコンピューターを使っているだろうと思うが、ともかく出来上がった作品自体は、美術作品というよりは、パワーで押しきったいい意味で大変泥臭い。

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2カ所の展示で、大きな祭壇画のほんの一部をいくつか描いているのだが、それぞれどこだかわかるだろうか?

・・・答えはコチラ。

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そして本家本元のゲントの祭壇画、開閉式で、両側の翼を閉めたところはこのようになる。
ちなみに、私が見に行ったときには翼が開いた状態で展示されていたが、ちゃんと裏に回って、翼の表側も見られるようになっていた。

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19 dicembre 2011
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by fumieve | 2011-12-20 10:30 | ビエンナーレ2011
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