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ローマ、2020年オリンピック立候補断念

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2020年のオリンピック開催都市に立候補していたローマが、届け出寸前になって立候補を断念した。
正確に言うと、ローマ(市)やイタリア・オリンピック委員会は最後まで立候補するつもりでいたのだが、昨年11月に緊急財政改革のために組閣されたモンティ首相を中心とする政府の賛同を得られず、断念を余議なくされた。
国際的なイベントであるオリンピックは、一都市での開催という決まりがあるが、立候補にあたっては、国が全面的にバックアップするという元首のサイン入り「保証書」の提出が必須らしい。数日前から、どうやらモンティ首相はそのレターにサインをしないのではないか、と予想されていたのだが、まさにその通りとなった。
理由はシンプル。この緊急財政の中で、莫大な負担、それも不明瞭な部分の多い支出はできない。ローマのプランが、ほかの候補都市と比較して劣るものだということではなく、今、優先させるべきことはイタリア人の生活である、と。




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イタリア国内では当初、ヴェネツィアも候補しており、あまりにも無謀な「夢」に、国内選出でローマに負けたときには当然だろうと思ったし、ついでに、ローマだって絶対無理だろうと確信していたけど、立候補してほかに負けるのではなく、自らストップをかけた、首相のその英断には驚いた。
今、まさに財政危機に揺れるギリシャのアテネで開催されたのが2004年。ギリシャが今だにそのときの負担を背負っていることは、明らかに冷静な判断材料の1つとなっただろう。また、先日の大雪騒動で市内があっという間に大混乱に陥ったのも、確実に懸念材料を1つ増やすことになっただろう。夏のオリンピックでは雪はさすがに降らないだろうが、大雨や嵐など、ちょっと天候が崩れたり、予期せぬことが起きたりした日にはほんとにどれだけ問題が起こるか、想像に難くない。また、2006年の冬季オリンピック前に開通するはずだったトリノ市内の地下鉄は、オリンピック前には全く開通しなかったどころか、その後ようやく一部は開通したものの、まだ予定分の全面開通に至っているのかどうか・・・。

ローマは3本目の地下鉄をようやく掘り始めて早何年。遺跡にぶつかれば調査のため工事がストップする、遺跡が出ないほうがめずらしいローマの市内で、これまたいったい何年かかることやら。
ローマ・オリンピック招致のために使うはずだったお金を、市内の遺跡、文化・歴史遺産の保護、保存や市内整備のために、いっそのこと全部つぎこんでみたらどうだろう?支出負担が莫大なオリンピックよりもずっと、高い経済効果が得られるに違いない。

2020年、私はイタリアにいるのかどこにいるのか全くわからないが、もしイタリアにまだいたら、ローマでのオリンピックは、なんだかんだと仕事が増えるチャンスだったのかもしれない。・・・それでもやはり、この潔い決断には拍手を送りたい。
オリンピックで無理に人や財を集めなくったって、ローマには既に誰にも負けない計り知れない資産がある。首相・政府の次は、ローマ市・関係各位の英断を期待したいところだが、なにしろこの市長さんには難しいか・・・。

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14 febbraio 2012
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by fumieve | 2012-02-15 06:11 | ほかのイタリア
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