本日6日(火)付のコリエレ・デッラ・セーラ紙ヴェネト版によると、
昨日、つまり5日(月)に、日本人男性(23歳)が、サン・マルコ広場近くの公衆トイレ前で、ジプシーに100ユーロを強奪されそうになった挙句、もみ合いの末に頭を打って倒れ、救急病院に運ばれる羽目になった。その日本人青年は、トイレの前でお金をせびるジプシーに、5ユーロを渡そうとお財布を出したところ、中に50ユーロ札が2枚入っているのを見たそのジプシーが突然お財布を強奪し逃亡。友人と2人、すぐに追いかけた青年はジプシーを捕えたものの激しい抵抗に遭い、押されて倒れ、頭と肩を強打。友人は、警官がかけつけるまで犯人を押え、犯人は現行犯で逮捕された。倒れた青年は頭に外傷を負い、救急病院に運ばれた。
逮捕されたIova Ciurar(28歳女性、ルーマニア国籍)は常習犯。
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不幸中の幸いで、大事には至らなかったものの、日本からヴェネツィアに観光にいらした方が、こんな目に遭ったのは非常に残念でなりません。もともと、ヴェネツィアの場合、すりは多かったのですが暴力を加えられることはほとんどなかったので、このニュースを見て、とうとうヴェネツィアでも・・・と、びっくりして体が震えました。
せっかくの楽しい旅行が台無しにならないよう、うるさいようですが、あらためていくつか注意をお願いしたいと思います。
まず、
ヴェネツィアの街中にある公衆トイレは有料(1.5ユーロ)ですが、コインを自動改札のような入口に直接入れるシステムになっており、
人がお金を要求することはありません。
いかなる場合でも、ジプシーやそうでなくても、
お金をせびってくる人間に対してビタ一文与える必要はありません。ほんとうの意味で「かわいそうな人」は皆無で、彼らはそれを仕事にしています。ヴェネツィアの場合は、彼らは毎朝「通勤」してくるのです。
あげるつもりはなくても、特に日本人と見ると彼らはしつこく寄ってくるかもしれません。その場合は、ともかく大声でNO!と拒否してください。NOでなくても「うるさい!」と日本語でもいいのです。ともかく
大声で拒否の姿勢を示すこと。ほかの人の目が集まると彼らもあきらめます。
ほんとうは、外に面していて誰もが通るところでお財布を出さなければいけない公衆トイレよりは、
どこかバールに入って、カフェ1杯立ち飲みして(たいていは1ユーロ)、お店でお手洗いを借りるのが好ましいのですが、観光地の場合はバールでもお手洗いがなかったり、あってても壊れていたり・・・とうまくいかないこともあります。
なので、そんなときのために、できれば
数ユーロの小銭を、お札やカードの入ったお財布とは分けて、ポケットにでも入れておくことをお勧めします。私はいつもミラノやローマに行くとき、特急電車を降りる前に、小銭か、あるいは5ユーロ札を一番外側のポケットに入れておきます。荷物などを持ったまま地下鉄の切符を買うのに、お財布を出すのは一番危険だからです。実際、ミラノでは地下鉄の切符売り場には常に怪しい人々がいて、自動販売機の使い方を教えてあげるフリをして、小銭をせびってきます。お釣りくらいなら手数料だと思って上げても構いませんが、実際はそこで切符を買ったあと、お財布をすられている例もあります。できれば自販機でなくて、窓口か、あるいは手前の新聞ショップで切符を購入するのが賢明です。
ヴェネツィアからミラノに話がそれましたが、イタリア中ともかく、
お財布には大金を入れず、パスポートもできれば町歩きの間はコピーを持ち歩いてください。それ以外、
携帯電話や電子辞書もイタリアではすりの対象になりますので、十分注意してください。
では、大切なものは全てホテルの部屋に置いておけばいいのかというと、それももちろん、
外出中は貴重品は絶対に見えるところに出しておかないでください。カメラ、パソコン、携帯と充電の必要があるものもあるかと思いますが、できるだけ部屋にいるときのほうが安全です。私は、朝食に行く間でも、そういうものはいったん全部、トランクに入れて鍵もかけています。トランクごと盗まれたらどうにもなりませんが、それはもう警察沙汰です。一方で外に出ていたものが1つ2つなくなった場合は、「証拠がない」といって流される可能性もあります。
最後にもう1つ。決して「マワシモノ」ではありませんが、何かあったときのために、やはり海外旅行保険はかけていらっしゃるのが安心かと思います。安いものではありませんが、それこそ「保険」なので、無駄になればラッキーと思ったほうがいいでしょう。
楽しいところもいっぱいあるイタリアですが、残念ながらそういう面があることも知っておいていただきたいと思います。
6 marzo 2012