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なまめかしい怪物たち、モデナの彫刻群

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モデナを有名にしている中世の彫刻が、もう1つ(正確にはもう1組)ある。

ドォーモの外壁、メトープ(イタリア語でmetope)と呼ばれる、装飾壁面の彫刻で、かなり高いところにあって普通ならあまりよく見えないくらいのものだが、現在はオリジナルはお隣の石碑博物館に保存、展示されている。
名前は残念ながら残っておらず、ただ、「メトープの親方(maestro di metope)」としか記されていないのだが、あのファサードを飾る「創世記」のヴィリジェルモとは明らかに違う作風で、人間とも怪物ともつかぬ、奇妙な生物たちが描かれている。




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上の写真2枚は、「対蹠地(反対側)の住民」。そして・・・

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見ての通りの「両性具有者」、

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「魚食い」、

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「竜と少年」、

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おなじみ「二股人魚」、

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「長髪の男」、

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「3本腕」、

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「巨大少女」。

「長髪の男」とか、「巨大少女」とか、それだけでは別に怪物ということもないと思うが、そういえば「少女」のほうは、大きくなっちゃったアリス(「不思議の国のアリス」の)に似ている。

いかにもロマネスクな、この想像上の動物たちの丸彫りに近い彫刻は、それ自体が怪獣っぽいヴィリジェルモの「アダムとイヴ」に比べると、むしろシンプルながらきれいなラインで妙になまめかしくさえある。「魚食い」だって、ヴィリジェルモのアダムに比べたら、かなりエレガントではないか。だから余計に、かえって気持ちが悪いというか、これはこれで印象に残る。

これが作られたのは12世紀。ほとんど見えないようなところにまで、これだけの彫刻を作っていたのかと思うと頭が下がる。
また、小さな石碑博物館の中に並ぶ、ロンゴバルド風のレリーフは9世紀。300年の時を経て、人々の好みと必要性も激変しているのが面白い。

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8 mag 2012
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by fumieve | 2012-05-09 16:37 | ほかのイタリア
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