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ヴェネツィア ときどき イタリア

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墨のヴェネツィア、「篠原貴之 墨絵」展

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Shinohara Takayuki. sumi-e
Palazzo delle Prigioni,
San Marco
2 mag - 23 mag 2012

サン・マルコ広場からほんの目と鼻の先、パラッツォ・ドゥカーレの隣、サン・マルコ湾に面した「元・牢獄」で京都在住の画家、篠原貴之さんの墨絵展が行われている。




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元・牢獄の建物といっても、いつもビエンナーレの際には企画展が行われているし、室内楽のコンサート会場にもなっている。迷宮ヴェネツィアの中で、企画展会場としてはこれ以上わかりやすいところはないだろう。
そんな超一等地に、Shinohara Takayuki, sumi-e と垂れ幕が出ているのを見たときには驚いた。もっともいつも、ビエンナーレのときもここは、台湾やシンガポールなど、アジア系の企画展が多いのだが。

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墨で描いた、ヴェネツィアの風景。考えてみれば、「まるで絵はがきのような」、「絵になる」ヴェネツィアは、油彩や写真だけでなく、著名な画家からそれこそ趣味で描く人まで、水彩による風景も無数に目にする機会がある。その中には、モノクロのものもあるから、それが墨であったとしても不思議ではない。
だが、そこに落款が押され、表装されることによって、何か見る方も心が改まるような、引き締まるような気分になるから不思議なもの。
そして中に描かれているのは、陽射しのすっかり強くなった今のヴェネツィアではなく、白く、霧にくぐもったヴェネツィアに見える。冬の、静寂のヴェネツィア。

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・・・墨ー黒で描かれた絵に、「白」が見えるというのも、考えてみるとなんだかおかしなものだが。
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イタリア人や、ここにいる多くの外国人観光客らは、これをどう見るのだろう?
あるいは、日本の墨絵らしい、日本らしい風景や題材がより好まれるのだろうか?

ミラノで彫刻を、そして北京で墨絵を学んだ画家の、自由で新しい作品を彼らがどう評価するのか、興味深い。

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10 maggio 2012
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by fumieve | 2012-05-11 07:06 | 見る・観る
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