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ヴェネツィア ときどき イタリア

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トニー・ザイラー風「夢遊病の女」、フェニーチェ劇場

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(写真はすべて公式サイト www.teatrolafenice.org より)

La sonnambula
脚本 Felice Romani
音楽 Vincenzo Bellini

Rodolfo Giovan Battista Parodi
Teresa Julie Mellor
Amina Jessica Pratt
Elvino Shalva Mukeria
Lisa Anna Viola
Alessio Dario Ciotoli
公証人 Emanuele Pedrini

指揮 Gabriele Ferro
監督 Bepi Morassi
舞台美術 Massimo Checchetto
衣装 Carlos Tieppo
照明 Vilmo Furian

フェニーチェ劇場管弦楽団および合唱団
合唱指揮 Claudio Marino Moretti

このブログを書こうとして、前回の「コジ・ファン・トゥッテ」はそういえば、現代風の演出で大当たりだったことを思い出した。(見事に、完全に忘れていた。)
今回の舞台は、スキー場の見晴らしのいいテラス、1950年代風。そうそう、まさにあの、トニー・ザイラーの「白銀は招くよ」調。・・・といっても、1956年、コルティナ・ダンペッツォ冬季オリンピックで3冠を取ったあと、俳優として出演したこの映画を、私は実際にはまともに見たことがないと思うのだが。
しかし、美男子でも知られるトニー・ザイラーならともかく、ともかく防寒と体の防御を第一に考えられているスキーウエアというのは、スキー場で見るからまあ、いいのであって、舞台の上で見てあまりかっこいいというものではない。それも、(オペラ)シーズン初めの11-12月、あるいは真冬の1-2月ならまだ考えられるが、よりによってなぜ5月に、あえてスキー場!?
その中に登場したヒロイン(アミーナ)は、中途半端に上着とスカート、そしてヒールの靴、ブロンドの髪を大げさに巻いていて、はっきり言って妙にやぼったい。・・・ならばいったいそのお相手(エルヴィーノ)は?と思ったら、何やらチェックの上下に蝶ネクタイ(ではなかったかもしれない)、と、その体型も相まって、正直のところ花婿というよりは、漫才師のよう。・・・うーん。
と、前半は衣装というか演出に気が散って全く歌に集中できず。




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そこへ、なんと赤いゴンドラ(この場合、ヴェネツィアのゴンドラでなく、スキー場の乗り物)が登場。それも、登場したかと思うと、ちゃんと、何人かを乗せてまた動いていった。乗り場に、ちゃんと鉄の柵ができていて、いちいち係員が開けていたり、と、細かい演出につい目が釘付け。そもそもこういうミニな乗り物に弱い私は、その時点でわ~いワクワク~なあんて乗せられてしまったけど、あとから思うと、そこでさらに音楽から集中が逸れただけ。

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第2幕。今度は赤いかわいいバスの登場にまたもや騙されそうになるが(笑)、ぐっとこらえて(?)歌に集中。それにしても、いくら夢遊病だからって、新婚の花嫁がよりによって、誘惑してきた相手の部屋に入り込み、ベッドに倒れ込んでしまうのは、そりゃいくらなんでも言い訳がつかないだろう・・・いや、病気だったらなおさらマズイんじゃないか、などと下世話な心配をしつつ、それでも徐々に、苦悩のアミーナの声に引き込まれていく。繊細で今にも壊れそうな、震える心。
みんなが見た幽霊の正体は、これだったのだよ、ほら!という言葉に促されるように、ほんとに亡霊のように現れるアミーナの演出はなかなかよかった。

23 maggio 2012
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by fumieve | 2012-05-24 06:22 | 聞く・聴く
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