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ヴェネツィア ときどき イタリア

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生ハムとパルミジャーノとバルサミコ

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お昼に少し家で食べようと思ってスーパーで生ハムを買って、ついでにパルミジャーノ(Parmigiano reggiano)も切らしていたことを思い出して1ブロック、暑くなってきたから、サラダにかけるバルサミコ酢(Balsamico)もカゴに入れた。





イタリア中の、すべての家庭で同じものを食べているわけではない、むしろ、ハム、サラミ、チーズは、イタリア中たいがいどこでも作っていて、それぞれがお国自慢だし、だいたい、地元の料理には地元の材料を使うのが普通。
だから、必ずしもイタリア全国で誰もが、パルマの生ハムを食べているわけではないだろうが、それでもイタリアで生ハムといえば、パルマとサン・ダニエーレが誰でも知っている2大産地。
パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)は、パルメザン・チーズと英語名(?)で知られる通り、イタリア料理ではパスタなど最後に上からふりかけるほか、調味料として下味にも使うし、そもそもそのまま、カタマリを1口サイズに割って、ちょっとしたおやつやおつまみとして食べることもある、ともかくイタリアでの生活では、登場場面の最も多い食品の1つ。ちなみに、ヴェネト州側の平野部作っている、似たようなチーズは、グラーナ・パダーナと呼ばれ、全く同じように利用する。
そして、バルサミコについていえば、料理にせよサラダにせよ、りんご酢など別のお酢を使う人もいるし、イタリアの家庭に絶対にある、というものではないが、常備している家が多いだろう。
(パルマの)生ハム、パルミジャーノ、バルサミコといえば、イタリア料理(の原材料)を代表する3大食品と言っても過言ではない。
今回の10日近くにわたる地震は、この3大食品の生産地を直撃した。

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ANSA通信のサイト(www.ansa.it )などの解説によると、アペニン山脈の北麓、ポー川流域のパダーナ(Padana)と呼ばれる地域には、もともと活断層が「眠って」いて(休活断層?休断層?)その眠っていた子が目を覚ましてしまった、ということらしい。
図は、そのサイトから借用。これも調査機関による作図そのままでわかりづらいが、地図の一番下、ちょっと右より中央がボローニャ、その左上がモデナ。右端がフェッラーラ。オレンジ色が、5月20日の地震とその余震の震源地とその規模、紫色が29日の分。隣接はしているが全体に西にずれていることから、5月20日と29日と、別の活断層によるものかもしれないと言われているが、これについてはまだ調査中。
いずれにせよ、20日から今日まで、揺れは1,000回を超えているという。

今日30日付のラ・レプッブリカ紙によると、
棚から落ちるなどして、形を崩したパルミジャーノおよびグラーナの数は、20日の地震で30万個、29日には50万個にのぼり、それは年間生産量の10%にあたるという。

食の宝庫、エミリア地方はまた、イタリア有数の工業地帯でもある。不幸にして犠牲になった方の大半は工場で亡くなった。
マゼラーティ、フェッラーリなど高級車メーカーの関連企業が集中する地域であり、経済的打撃も農産業にとどまらない。

パルマ在住のmarcheselliさんはブログで、壊れたパルミジャーノを割安で売り出すらしい、と紹介されている。(http://marchesell.exblog.jp/18025146/) それはもうできることなら喜んで購入したいし、苦労してここまで熟成させたパルミジャーノが無駄にならず、少しでも、ほんとにほんとに少しでも、生産者の方々の助けになるのであれば嬉しい。いや、この際、割安にする必要もないのでは?少なくとも定価か、あるいは例えば何割か上乗せして、それが支援になるような形がうまくできないものだろうか?
(我ながら、食べ物のこととなるとなぜか力が入っている気がするが・・・いやでも、ヴェネツィアは車に乗れないし、車産業は個人がどうやって支援したらいいのかわからないし・・・)

30 maggio 2012
by fumieve | 2012-05-31 03:13
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