きゅきゅきゅーっと、さやを開けてはいちいちタメイキ。
そらまめって、もしかしたら自分で買ってみたのは初めてだったかも。
中学に入ったとき、それまでは「図画工作」という科目名だったのが「美術」に変わり、その美術の教科書を見てびっくりした。それは、野菜をモチーフにグラフィック・デザイン的な絵を描くというテーマのページで、まず、(少なくともその時代の)小学校では存在しなかった、グラフィック・デザインというジャンルを取り上げていたのが新鮮だった上に、そこにはもちろん何年か前の、だが同じ中学生の作品がいくつか掲載されており、同じ年代の人がこんな絵を描いたというのに、ほんとうに度肝を抜かれた、と言ったらいいのだろうか。
トマトやピーマン、その形そのものも十分に絵になる野菜たち、そんなカタチに断面図を組み合わせて、自由に、ポップになった野菜たちが、その見開きページには並んでいた。
そらまめのさやを1つ1つ開きながら、あのページを思い出していた。
そらまめは、たぶんなかったように思うが、それにしても、ほんとにそのままグラフィック・デザインになってしまいそうな、キュートで、まるで作りもののようなこの姿といったら!
しかもこのそらまめ、さやの中はふわふわの、あのよく壊れ物なんかを包む白い緩衝材みたいなものでできていて、おまめさんたちは一粒一粒、文字通り真綿にくるまれている。
日本では、桃やメロンがていねいにワタにくるまれて売っている!といってイタリア人はびっくりするけれど、イタリアだって(というか、たぶんそらまめの産地ならどこでも)、そらまめはワタにくるまれているではないか!
このワタ、何かに利用できないのだろうか・・・?(というか、ひょっとして再利用するのが当たり前なのだろうか?)
今日はもう1つ、やはりこの季節の定番、グリーンピースも。
こちらは一見、ややエレガンスな感じ。
だが、薄いさやに、まるで歯並びのいいさわやかな笑顔のように、ぴっしり、ぎっしり、詰まった丸いお豆たちは、育ち盛りの子どもたちのよう。お行儀よく整列しているのは一瞬のこと、さやが開ききるのを待ちきれずに、ぷるんぷるんと勢いよく飛び出してくる。
(そして、まんまるなのでしばしばテーブルの上からはじけ飛んであちこちに旅立ってしまう・・・)
そらまめさんは、さっと塩ゆでにして、食事前(というか調理中の)おつまみに。
グリーンピースさんはもちろん、だ~い好きな、まめごはん。
イタリア風まめごはん、ヴェネツィアあたりのこの時期の定番、
リージ・エ・ビージにもたまにはしようかな、と思いつつ、ついついまめごはんにしてしまう・・・。(食べ過ぎ危険)
2 giugno 2012