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ヴェネツィア ときどき イタリア

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絶景遺跡、シルミオーネのカトゥルス荘

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イタリア内外に残る数あるローマ遺跡の中でも、おそらく1,2を争う絶景なのではないだろうか。

ミラノとヴェネツィアを東西に結ぶラインのちょうど真ん中あたり、ガルダ湖(Lago di Garda)がある。トレントの山側から、しずくをたらしたような形の、そのしずくの底のちょうど中央あたりが細長くくりこんでいて、地図で見るとなんだかお尻のワレメのような、実際には湖にちょろっと舌を出しているような、細い細い半島がシルミオーネ(Sirmione)。




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ミラノの北にあるコモ湖と同じように、ガルダ湖も夏の一大リゾート地。だが、スイスとの国境を分け、実際、町もすでにスイスのような雰囲気を持つコモと違い、このガルダ湖のとくに南側は陽射しも強く、夏はかなり暑くなることもあって、北イタリアにあって、まるで南イタリアのリゾート地のような感じ。
中でもシルミオーネは、交通の便もよく、夏の間、多くのリゾート客、観光客で賑わう。

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この土地の魅力には、既にローマ人たちも気付いていた。

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舌の先の先っぽも先っぽ、およそ2000年前、紀元前1世紀終わりごろの邸宅の跡が残っている。

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ローマ時代の詩人、ヴァレリオ・カトゥルス(Valerio Catullo)は、シルミオーネをうたった詩もあることから、15-16世紀ごろから、「カトゥルス家のヴィッラ(villa、邸宅)」と定義されるになったが、実際にカトゥルスの家だったのかどうかははっきりしていない。

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その豪邸も、紀元後3世紀ごろには全体、もしくは一部が打ち捨てられ廃墟となり、その一角は墓地としても利用されていた。19世紀に発掘が始まるまで、遺跡全体がすっかり植物に覆われ、中がわからない状態になっていたため「カトゥルスの洞窟(grotte di Catullo)」という名で呼ばれ、今にいたっている。

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小高い丘の上のその先っぽ、とはいえ、ちょっとした公園ほどの広さの中、オリーヴの林の向こうに湖が見える、それだけで十分風光明媚なのに、その間に広がるローマの邸宅の跡が得も言われぬ魅力を演出している。どこをどう切り取っても、全部絵になるような気がして、カメラのシャッターを切っても切ってもまだ切り足りないような気がしてしまう。

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容赦なく太陽が照りつけ、ほんとうに南イタリアと錯覚しそうな暑さにクラクラするものの、それでも、日かげはもちろん、ふと湖から流れる風はさわやかで涼しい。見た目の美しさもさることながら、さぞかし過ごしやすい、気持ちのいい邸宅だったことだろう。

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だが、かつてこの地にお屋敷を構えた(かもしれない)詩人も、2000年を経て、その廃墟がこの風景をさらに魅惑的なものにしていようとは、さすがに想像できなかったに違いない。

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Grotte di Catullo, Sirmione
併設博物館あり。
Tel. 030916157

29 luglio 2012
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by fumieve | 2012-07-30 07:26 | ほかのイタリア
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