ブログトップ

ヴェネツィア ときどき イタリア

fumiemve.exblog.jp

モザイクの旅・番外編~グラード・2 サンテウフェミア聖堂

a0091348_6384370.jpg


グラードの町の、旧市街の中心にあるサンテウフェミア聖堂(Basilica di S.Eufemia)は、紀元後6世紀に建てられ、その後いくつかの改装や修復を経ているものの、その床には当時のモザイクが残っている。
幅25m、深さ45m、列柱で3つの廊に分けられた聖堂のモザイクは、アクイレイアの大聖堂とまではいかないが、それでも、相当な迫力がある。



a0091348_6395687.jpg


ここのモザイクの特徴は、まず、文字情報、つまり碑文が多いこと。そのおかげで、この教会は、579年に完成、エリアという名の司教によって聖別化されたことがわかっている。

a0091348_6403561.jpg


人物像や動物、物語絵などが豊富だったアクイレイアと違い、ここではそういった具象はほとんど姿を消して、全体を抽象的な幾何学模様が占めている。
わずかに見られる、鳥なども、生き生きと写実的な姿ではなく、より簡素で、どちらかというと記号化されたような姿で描かれている。

a0091348_6412177.jpg


現役の教会なので、すてきな模様も、椅子の影にあったりする・・・。

a0091348_6415587.jpg


a0091348_643418.jpg


また、オリジナルの残っていないところは、「具」は入れずに、枠の模様だけを再現しているため、全体に一体感がある。

a0091348_6423734.jpg


そしてもう1つ。丸や四角、ひし形やダイヤモンド型で区切られた枠の中に、いろいろな模様や絵が描かれているのだが、その枠はちょうどチューブのように太く、チューブとチューブが、ちょうどくるっと引っかかりあっているように描かれていることに注目。

a0091348_6435536.jpg


アクイレイアの大聖堂のモザイクでは、丸や四角の中の絵に重点が置かれ、その境界線は単純な黒の線で引かれていたが、ここでは、境界線はもはや色の効果で立体的に見え、それが絡み合いながら、構図を作っている。

a0091348_645458.jpg


このパターンが最初に登場したのは、いつ、どこでだったのだろうか?

前回紹介した、4-5世紀に建てられた教会跡には、少なくとも残されている範囲では、このパターンは見られない。

これより少し前、紀元後526-48年に建てられた、ラヴェンナのサン・ヴィターレ聖堂の床には、同じパターンのものが見られる。また、現存する最も古い例になるのかどうか、ラヴェンナではさらに遡って、5世紀のモザイクにも、このパターンが見つかっている。(写真、下はラヴェンナ)

a0091348_7102339.jpg


似たようなパターンは、石材のレリーフなどでも見られるが、果たしてどちらが先だったのだろうか?誰が最初に考え付いたのか、平面的な幾何学模様から比べると、ずいぶん画期的なことだったに違いない。

このあたり、ちょっとまだ調べきれていなくて、気になっている。

a0091348_646221.jpg


25 agosto 2012
[PR]
by fumieve | 2012-08-26 06:47 | モザイクの旅
<< 第13回ビエンナーレ国際建築展... グラードの珠玉のレストラン、タ... >>