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ヴェネツィア ときどき イタリア

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アメリカ、アメリカ・・・〜第69回、ヴェネツィア国際映画祭・3

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At Any Price
Ramin Bahrani - 米, 105'
Dennis Quaid, Zac Efron, Kim Dickens, Heather Graham

銀獅子賞と最優秀俳優賞のトリプル受賞した Paul Thomas Anderson監督の The Masterに加え、アメリカからはあと2作品、コンペに出品されていた。
話題と言えば話題、「ハイスクール・ミュージカル」のザック・エフロンがヴェネツィアにやってくる!というのでヴェネツィア近郊のティーンエイジャーの女の子たちの間では盛り上がったようだが、肝心の映画のほうはといえば・・・。よくも悪くも、上映後に全く話題にならなかった度合いからすると、今回、この作品がダントツではないだろうか?
広大なとうもろこし畑を「経営」するアメリカン・ファミリー。先代から続いた畑も、父の思いをよそに、3代目の2人の息子は寄り付かない。クラシックなテーマと風景の中で、浮かびあがるのは、そこに植えられているのは遺伝子組み換えのとうもろこしであり、その「種」は、何と言うのだろう?著作権?保護のために、メーカーが厳しく管理しており、一代限りしか使ってはならないらしい、ということ。本来であれば、収穫した作物の一部を、また地面に返すのが農業の大原則のはずが、一見のどかな田舎の風景に見えるここでは、科学の進歩のためにその倫理が成り立たない。豊作のときはいい、だが、不作のときも、毎年、高額な「種」を仕入れなくてはならない農家は、経済的にどんどん疲弊していく。
1つの(アメリカ)現代社会の問題として、悪くないテーマだと思う。だが、見終わったあと印象に残るのは、(少なくともそこでは)「遺伝子組み換え作物がすでに全体の92%を占めている」らしいことと、アイドルならば、何をやっても許されるみたいな、ご都合主義な展開にげんなり。
それならいっそ、「息子だった」のダメ親父のほうがまだ、ダメダメ感たっぷりで味があった。




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Spring Breakers
Harmony Korine - 米, 92'
James Franco, Selena Gomez, Vanessa Hudgens, Ashley Benson, Heather Morris

同じく、ティーンのアイドルたちが登場したこちらは、(たぶん)ごくふつ〜うの学生の女の子たちが、春休みにマイアミのヴァカンスにでかけ、うーーーんとはじけてしまう物語。最初から最後まで、ちょっと古い言葉を借りれば「ハレンチ」&お下品の連続で、そりゃお年頃の娘や息子を持つ親は、はらはらして見ていられないだろうと思うが、もう何もかもがありえない展開、荒唐無稽すぎてマンガチックで、ま、これはこれでいいのかな、と思ったり。ギャルズもいいけど、James Francoの見事な変装というか演技には爆笑。

・・・でもやっぱり、私が親だったら、子どもたちにはあんまり見てほしくないないな〜。


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To the Wonder
Terrence Malick - 米, 112'
Ben Affleck, Olga Kurylenko, Rachel McAdams, Javier Bardem

これまた、「いい男は何をしてもいい」パターンか。もっとも、こちらは犯罪にまではいたらず、要するに「結婚したくない男」代表。なにしろ、この男、ほぼ(ずっと?)無言で女と絡んでいるだけで、一体何を考えているのかさっぱりわからない。女性側の、そのもどかしさや不安が、ハンディカムで撮ったような、従っていかにも私的なヴィデオのような映像の中で、よく描かれていると思う。・・・だが、結局、それだけ。あとに残るのは、女性が1人、くるくると回り、踊る幻想的なシーンのみ。カラオケのイメージ映像のよう、というのか。

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Passion
Brian De Palma - 仏、独, 94'
Rachel McAdams, Noomi Rapace, Paul Anderson, Karoline Herfurth

これもてっきりアメリカ映画かと思っていたら違ったらしい。
ブロンド美女はエリートでちょっと意地悪。いつも黒服を身にまとった見た目も性格も地味めだが、実力のあるデザイナーを何かと妬んでいる。
ああ、まるで70年代の少女マンガのようなわかりやすい構図。キャンディ・キャンディのイライザとキャンディ、そうそう、マンガじゃないけど、「大草原の小さな家」のネリーとローラ。(そういえばどっちもアメリカが舞台だけど・・・。)
その2人が、仕事と男とでライバル関係をヒートさせていく。典型的ないじわるに耐えるヒロイン。そこに色を添える、第3の赤毛の女性がちょっとした今どきなヴァリエーション。二転・三転する展開もほぼ予想通り、きな臭い展開に一応ハラハラドキドキしつつ、わかりやすい勧善懲悪に、ある意味安心して見ていられる。
最後、クライマックスで画面を2つに割って、一方で映画のお話が進むかたわら、バレエ「牧神の午後」の踊りを見せている部分があって、もちろんストーリーの展開上それが生きているのだが、なるほど、というか、うまい、と思った。
大御所、ブライアン・デ・パルマ監督の作品にしてはがっかり・・・という声もあったが、しょせん娯楽のための映画なんだし、このくらい、スッキリはっきりわかりやすい作品もかえっていい。・・・と、私は楽しめたが、まあ考えてみれば、日曜サスペンス劇場といった感じかも。

20 settembre 2012
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by fumieve | 2012-09-20 19:29 | 映画
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