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複雑怪奇な地下世界に驚愕、カステッラーナ鍾乳洞

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どんなに技巧と意匠を凝らしても、しょせん人間のすることは、大自然の前にはかなわない。
プーリア州の州都、バーリの空港から車で、アドリア海の海岸線をちょっと走って、そこからオリーブ畑の広がる内陸のほうへ向かって1時間ほど。一見、なんてことのない普通の町の、さらに外れに出たところで突然、道路の上に大きく「ようこそ・・・」の文字が見える。
駐車場と、ちょっとしたお土産屋さんがあって、その奥に、ややさびれた遊園地のようなチケット売り場がある。
カステッラーナ鍾乳洞(Grotte di Castellana、グロッテ・ディ・カステッラーナ、所在地の市の名前はカステッラーナ・グロッテ(Castellana Grotte))。
その地下に隠されている巨大な鍾乳洞を、ガイドさんの案内つきで見学することができる。



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科学系にめっぽう弱い私にとってありがたいことに、日本語のパンフレットがあったので、そこからかいつまむと、

土壌の中に含まれる石灰石が、大気中の低い層に含まれる二酸化炭素との接触によって酸性化した雨水によって溶解され、とくに地下においては、水の作用によって、洞窟や地下道が生まれた。それがさらに、無数の岩つらら、石筍、帯状または柱状の鍾乳石でまるで華麗な装飾を施したかのようになっている。

うむ・・・
簡単に言うと、

「(石灰)石から染み出した水がゆっくりゆっくりと落ちて、垂れ下がってつららのようになったり、しずくをためて石仏のようになっている。」

といったとこか。

1938年、フランコ・アネッリ博士が発見し、ヴィト・マタレーゼとともに調査、探検を続けた。

見学コースは、入口から500m、約50分のショート・コースと、1.5kmの一番奥まで行って引き返す約1時間40分のロング・コースの2つ。
入口からエレベーターで下り、さらに階段を降りてコースの最初にあたるのが、幅50m、長さ100m、深さ60mの巨大な洞窟。天井に穴が開いており外光が差し込んでいるが、この穴が、最初の発見のきっかけとなった。外気に触れるため、鍾乳石がうっすらと苔むしていたり、あるいはサビのため黒ずんでいるところもある。
ちなみに、一般見学客が写真を許可されているのはここまで。
ここから、探検開始。
自然のいたずらによるいろいろな形を、何か知っているものに見立てるのは、古今東西どこも一緒らしい。ラクダやフクロウなどの形に見えるもの、ピサの斜塔あり、そしてイタリアらしくて笑ってしまったのは、「カンピドーリオの雌狼」。双子のロムスとレムスが雌狼に育てられたというローマ建国者の伝説を彫刻にしたものだが、確かにそう言われてみると、あれに似ているといえなくもない。そしてもちろん、「プレゼピオ」(イエス生誕の場面を人形で再現したもの)も。
そんなさまざまな「彫刻」を見学しながら、ぐんぐん中へ入っていく。
ここの特徴の1つとして、かなり赤茶っぽいところもあるのだが、それはもともと、石灰石以外の土壌に鉄分を多く含んでいるため。
が、ロング・コースの、最後の最後にたどりつくのが、「白の洞窟」。最初の大発見のときでなく、あとから追加で見つかったというこの洞窟は、ほんとうに見事にどこもかしこもが真っ白で、空間内をびっしりとつららや彫刻が覆っているのだが、そのつららも、単なる円錐形ではなくて雪の結晶のようなものがついていたり・・・。ともかく、言葉にはとても表しきれない、今までに全く見たことのない幻想的な世界が、そこにあった。

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(この写真はwikipediaより拝借)

こうして誰でも気楽に見学できるよう、この細長く、狭く暗い空間の中に、ぎりぎり最低限の舗道が整えてあるのにもまた感心。撮影権はすべて市が管理しているから、写真は禁止と言われても納得がいく。いや、何より、これはどんな写真をもってしても、この迫力は伝わらないように思う。

(・・・といいつつ、写真を見たい方は、公式サイトをどうぞ:
www.grottedicastellana.it

25 ottobre 2012
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by fumieve | 2012-10-26 03:43 | ほかのイタリア
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