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モザイクの旅・番外編〜ミラノ、サンタンブロージョ大聖堂

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12月7日は、ミラノの守護聖人、聖アンブロージョ(Sant’Ambrogio)の日で、ミラノは祝日扱いとなる。
その聖人に捧げられたサンタンブロージョ大聖堂(Basilica di Sant’Ambrogio)でも、昨日紹介した聖ロレンツォ大聖堂と同様、初期キリスト教時代の貴重なモザイクを見ることができる。



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ミラノで殉教した双子の聖人、ジェルヴァジオとプロタジオが埋葬されていたこの場所に、最初に聖堂が建てられたのは紀元後379年のこと。現在の建物が建てられたのは11〜12世紀で、ファサード前に広い回廊を持つ、白大理石をアクセントに使ったレンガ造りのシンプルな建物は、このロンバルド地方を代表するロマネスク建築として、教科書やガイドブックに必ず登場する。

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教科書と言えば、正面主祭壇の、「金の祭壇(altare d’oro)」も、その上を飾る、4本の円柱で支えられた祭壇台(ciborio)も、それぞれ9世紀、11世紀を代表する美術品として、美術史の教科書に必ず登場するアイテムなのだが、ここでは例によって割愛する。

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モザイク巡礼者にとって非常に重要なのは、同じ金でも「金の空の聖ヴィットレ小礼拝堂(Sacello di S.Vittore in ciel d’oro)」。正面に向かって右側、数段上がったところで入場料を払い、入ってすぐ左奥にある。ここは、4世紀の構造が残る部分で、モザイクは5世紀後半のもの。半円のクーポラの中央には、聖人ヴィットレ。

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4隅のペンナッキには、4人の福音書家のシンボルの、それぞれ羽の生えた、鷲(聖ヨハネ)、牛(聖ルカ)、ライオン(聖マルコ)、天使(聖マタイ)のはずなのだが、かなり微妙・・・なんだかアニメのキャラクターのよう、ポケモンの登場人物(?)と言われても驚かないような・・・。

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窓をはさんで、左右両側3人ずつ並んでいるのはもちろん聖人たち。
向かって左の中央が、聖アンブロージョ。左がジェルヴァジオ(Gervasio)、右がプロタジオ(Protasio)。

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聖アンブロージョというと、このモザイクの絵が肖像として使われていることも多い。
また、ミラノで殉教した双子のジェルヴァジオとプロタジオ、ヴェネツィアでは2人合わせて、略してトロヴァーゾ(Trovaso)と呼ばれている。

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本堂に戻って、ほんとは非常に重要な祭壇の後ろ、アプシスの1/4円クーポラは、こうして写真で見るとポップな壁画のようにすら見えるが、これも実はガラスのモザイク。オリジナルは9世紀とされるが、11世紀には聖堂一部崩壊などあったほか、19世紀にヴェネツィアのモザイク職人ジョヴァンニ・モーロが大規模な「修復」作業を行なっている。当時の「修復」といえば、古いもの、壊れかかったものを除去して新しく作り直すことを意味しており、実際に9世紀のもともとのモザイクは、ほとんど残っていないと考えたほうがよさそう。

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中央の「玉座のキリスト」をはさみ左右は、聖アンブロージョの物語。聖人がミラノでミサを行なっている間に居眠りしたかと思ったら、同時に、フランス、トゥールの聖マルティーノの葬儀に現れた、という奇蹟の、両場面が描かれている。(なにしろ「奇蹟」だから)嘘のようなホントの話、マジメな聖人の奇蹟のはずなのだが、カラフルでマンガチックなタッチで描かれているせいか、なんだかほほえましい。

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7 dicembre 2012
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by fumieve | 2012-12-08 09:21 | モザイクの旅
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