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ヴェネツィア ときどき イタリア

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「和菓子のアン」、坂木司・著

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小学生のころ、大人になったらなりたいものの1つが、パン屋さんかケーキ屋さんだった。大人になってからは、そこに和菓子屋さんも加わった。(大人になってから、「大人になったらなりたいもの」というのもヘンだが、つまり、あこがれの職業という意味で。)

手先が特に器用なわけでもなく、クリエイティヴからはほど遠い。といって、接客業が向いているとも思えない。現実問題として、作る側・売る側どちらにも不向きで、実際に大人になってしまうと、それはほんとうにあこがれのままで終わってしまった。

だから、この本のアンちゃんが、もともとお菓子大好きな女の子とはいえ、それこそ、とくにそのどちらにも向いているとは思えないのに、いきなりデパート地下食料品売り場の高級和菓子店のアルバイトに採用されるのが、かなり真剣にうらやましかった。

そんなアンちゃんめぐる、たわいもない日常生活を描いたもので、言ってしまえば、そう取り立ててびっくりするお話でもない。だが、季節を巡る和菓子のエピソードや和菓子まめ知識、そこにちょっとミステリーをからめたストーリーは、何よりお菓子大好き人間にとってはなんとも楽しく、とくに月替わりのお菓子を味見する場面では、その味を想像してしばし悶絶・・・。

イタリアに戻ってくるのに、成田エクスプレスの中で読み終わって、日本を離れる寂寥感倍増。成田空港にすてきなお菓子屋さんでもあれば、相当買い込んでしまったと思うが、なかったのはむしろ幸いと言うべきか。

10 gennaio 2013
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by fumieve | 2013-01-11 02:00 | 読む
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