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ヴェネツィア ときどき イタリア

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「森と湖の国 フィンランド・デザイン」展

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サントリー美術館
2013年1月20日まで
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2012_06/index.html

(それぞれ個別の作品の写真は公式サイトより拝借)

日本ではちょっと(ずいぶん?)前から、北欧デザインというのがはやっているらしい。
テキスタイルを含むインテリアまわりで、シンプルで実用的、それでいて美しく飽きがこない・・・とくれば確かに、どうしても和洋折衷になる日本の家やキッチンにも馴染みがよく、使い勝手もよくなるのは、当然といえば当然かもしれない。

ではなぜ、北欧デザイン、ここではフィンランドのガラスが、そんなにシンプルで機能的なのだろうか?



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・・・その答えもまた、極めてシンプル。

それは、1681年、初めてフィンランドにガラス工房ができたときから、その工房は、実用品を作るためのものだったから。
技巧をこらし、あらたな技術を駆使してガラスを作り出し、それが欧州中の王侯貴族や聖職者たちの間の羨望の的となり、高級輸出製品として国の重要産業の1つであった、ヴェネツィア、ムラーノのガラスとは、そもそもスタートが違う。同じように国の肝いりであったとはいえ、フィンランドでは最初から、ムラーノ・ガラスと対抗するのではなく、まったく別の道をめざしたのだった。
20世紀に入り、フィンランドという国の確立とともに、国のアイデンティティーを希求していく中で、「より美しく、デザインされた日用品」を求める価値観が台頭していったのだという。
最高級のものを求めれば、あらゆる工芸や芸術のレベルで、今でも世界に類をみないすばらしい技術やモノが存在するイタリアだが、ほんとうに今でも相変わらず、日常レベル、一般レベルで出会うものといえば、なんだかなー・・・といったものばかり。「イタリア・デザイン」としてもてはやされるモダンな家具やインテリアだって、確かにカッコはいいかもしれないけど、使い勝手が今二つも三つも悪いものもたくさん。
日常にこだわりを見せるフィンランドの哲学は、国民性といい歴史といい、どちらがいいとか悪いとかではない、だが、少なくともイタリアとは全く異なっているを強く感じる。

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そんなフィンランドのガラスの、大きく分けて、泰明期(18世紀後半〜1920年代)から躍進期(1930年代)、黄金期(1950年代)、転換期(1960-70年代)、そして現代まで。とくに躍進期から黄金期にかけては、フィンランドのガラスといえば、まず忘れてはならない、イッタラ社の「アールト・の花瓶」に代表されるアルヴァル・アールトや、カイ・フランクのシンプルなタンブラー・セットなど、これぞまさにフィンランド・ガラス!という名前と作品が並ぶ。
会場内は基本的には撮影禁止なのだが、大きなインスタレーションなどの設置されている場所は撮影可だったりして、気が利いている。

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モノづくりの現場好きとしては、「アールトの花瓶」の型が展示されていたのもうれしかった。興味深く、じっくりと観た。

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(なんだか、昔ながらのアイスキャンディーみたい・・・)

14 gen 2013
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by fumieve | 2013-01-15 04:36 | 見る・観る
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