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ヴェネツィア ときどき イタリア

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フオーリ・サローネ2013・2 ニッポンに乾杯!

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イタリア・デザインの総結集であるはずのミラノ・サローネだが、ここ数年、私にとっては、サローネやフオーリ・サローネは、日本のデザインと技術力の高さの、再確認の場となっている。

(今年のフオーリ・サローネ・1、ブレラ地区半日散歩はこちら
http://fumiemve.exblog.jp/17611287/#17611287_1

(過去の日本礼賛は、こちら
フオーリ・サローネ2011・1 花は世につれ・・・
フオーリ・サローネ2011・2 外から中へ、中から外へ
フオーリ・サローネ2011・3 ニッポンの美

アートとテクノロジー、テクノロジーとデザイン

はっとする色使いや、自由奔放な形。それ自体は、やはりさすがと思うし、確かにオシャレかもしれない、だけど、そういうものに限って、見かけ倒しで使い勝手が悪いものが多いイタリア・デザイン。使い勝手はニの次、しかも悪びれることなく、「カッコのためには少々の不便はいたしかたなし」と言わんばかり。
もちろん、そうではなくて使い勝手がいいものも(中には)あるし、たとえば生地にしても石材にしても、素材の美しさやそのこだわりには唸らせられることもしばしば。

だがやはりそんな中で、日本の製品の、素材、色、かたち、さらに使い勝手を追求した繊細かつ機能的な「デザイン」を見ると、ただただ、すごい、と思う。



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今回も、フオーリ半日散歩の中で、すてきな「日本」に出逢った。
1つめは、地下鉄モスコーヴァ(Moscova)駅のすぐ近く、人気の某和食屋さんの差し向かいにあるスフェーラ(Sfera)。鍛金、陶磁器、木工に竹細工など、日本の伝統工芸を、Shigeo Mashiroさんのデザインで、今の生活の中で使える形でインテリアやテーブル・ウエアとして提案している。京都にある同名のお店の支店で、もう3年前からここにお店を構えているらしい。

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今回、「フオーリ・サローネ」としてあえてこちらで「展示」しているのは、お犬さまグッズ。犬のベッド、犬の水入れ、リード、おやつ入れ・・・。それも実は、こちらの社長さんの愛犬、Dongちゃん用に「開発」されたものだそう。

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ベッドはともかく、こんな器、私だって欲しくなってしまう・・・。

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お犬さまグッズはともかく、人間さまグッズだってもちろんとてもすてきで、美しい器たちに、たまたま居合わせた大柄のイタリア人のおじさんも大興奮していた。


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もう1つは、やはり2年前から「フオーリ」出展しているらしい、宮崎椅子製作所。

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美しい木目とテキスタイルを生かした、椅子らしい椅子。日本内外のデザイナーさんのデザインにより、同工房の職人さんたちが1つ1つ丁寧に仕上げた椅子は、一見きゃしゃなようでいて、安定感ばっちり、そしてなんといっても座り心地がいい。深すぎず、浅すぎず、これならどんなに座っていても疲れなさそう。

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http://www.miyazakiisu.co.jp
椅子といえばもちろん、もともとは西洋が本家本元。イタリア北東部、とくにウディネ
を中心とするあたりは、家具の中にも椅子を専門とするメーカーがたくさん存在し、「サローネ」展示会場に行けば、それらのメーカーがしのぎを削っているはず。そんなイタリア・ミラノにあえて、「日本」をウリにするのではなく、堂々と椅子そのもので勝負しているだけでもカッコいいが、カッコだけではなく、そこで多くの注目を集めているのだからやっぱりすごい。

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どちらも、ふだん使いだからこそ、大切にしたいデザイン。そのデザインに負けない安定した技術と仕上げの細やかさに、日本の「伝統」が生きていると言える。

そして、ミラノの(フオーリ)サローネといったら、もはや欠かせない感のあるnendo。その人気を繁栄して、nendoのプロジェクトやデザインは、フオーリの中でもあちこちで見かけるので、とても全部は回れなかったのだが、そのうちの1つは、ヴェネツィア出身のデザイナー、ルカ・ニケット(Luca Nichetto)とのコラボによるインテリア・デザイン。ストックホルムで出会ったnendoの佐藤オオキさんとルカが、意気投合して、一緒にメモを取ったり意見を交換したりしながらできたというインテリアは、シンプルだけどあたたかく、使い勝手のよさそうな空間。

また、石材インテリア用メーカー、カエサルストーン(casarstone)社の展示も圧巻。
丸石の石畳の上に広がる、石の丸い低いテーブル群は、まるで蓮の池のよう。訪れる人が皆、まるで申し合わせたかのように必死で写真を撮っているのがおかしかった。

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16 aprile 2013
by fumieve | 2013-04-17 02:04 | 見る・観る
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