数千年の歴史を持つ、人類の叡智を重ねた「聖なる」書が「本」ならば、私たちのふだんの生活のもっと身近にいて、私たちを喜ばせたり悲しませたり、ときにはうたた寝の枕がわりにもなったりするのもまた「本」。
「人類の「アルファベット」展」開催中のアンブロジアーナ絵画館から徒歩10分ほど、つい先日までは
修復されたジョヴァンニ・ベッリーニのピエタ像を中心に、やはり「聖なる」絵画を紹介していたミラノのポルディ・ペッツォーリ美術館で今度は、ポップな企画展が行なわれている。
これは、複合イベントとしては既に期間を終えているが、「フオーリ・サローネ」に合わせた展示の1つで、いろんな意味での「本」の周辺を、デザインという観点から見たもの。
1階の特別展室は、「本」をマテリアルとして見立てたオブジェたち。
常設展への入口となる階段の手前では、現代(2005年)の書見台と、ルネサンス時代(1500年)の書見台が対峙して、まるで門兵のようにさりげなくヴィジターを迎えている。
2階は常設の中での展示。
・・・ゴシック、ルネサンス、そしてバロックの珠玉のコレクションの間に置かれたさまざまな「本」の展示たちは、そのミスマッチこそが本来は面白いはずなのだが・・・そう思って見始めたものの、ここ、ポルディ・ペッツォーリには、もともと見るべきすてきな作品や家具、調度品が多すぎる!
何度行っても、常設を見るだけでも目移りの同館、で、いつのまにか「本」の展示のことは忘れてしまいそうになった・・・。
(でも、このブックエンドは気に入った!)
とはいえ、もともと常設展示室のいくつは、モダンな照明やソファ、ベンチが置いてあって、それはそれでとてもおしゃれだし、ともかくイタリアでも大好きな美術館の1つ。
「本の周辺、アートとデザインの間で」展
ポルディ・ペッツォーリ美術館、ミラノ
5月6日まで
Intorno al libro.
Tra Arte e Design.
5 aprile - 6 maggio 2013
Museo Poldi Pezzoli, Milano
www.museopoldipezzoli.it
18 aprile 2013