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ヴェネツィア ときどき イタリア

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「貴婦人と一角獣」展、国立新美術館

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まさかまさか、日本でこのタピスリーが、しかも全点一緒に観ることができるなんて!
パリので何度か観てはいるけれども、何度観てもあきない、何度観てもまた観たい、大好きな大好きなタピスリー。うっかり「久しぶりにあれが観たいな〜」なんて知らずにパリに行って涙を飲むことがなくてよかった・・・。




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美しい。
はあー・・・とただただタメイキ。
所蔵のクリュニー美術館同様、東京でも広い一室の壁360℃使って、全6枚を一気に展示。建物が新しい上に、クリュニーよりこちらのほうが天井が高いのと、照明のためだと思うが、なんとなくタピスリーたちがより「のびのび」して見える。
このタピスリーの魅力は、貴婦人と一角獣というテーマ、それがシリーズになっていること、画面を埋め尽くす植物や動物達の愛らしさ、地の高貴な赤・・・と数え上げるときりがない。だがそのあたりは、会場の解説や図録にも詳しいので、ここではちょっとマニアックなネタを。

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それは、貴婦人のドレスの生地。

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赤、金、紺とさまざまだが、6枚共通して使われているのはビロードかまたはブロケード(浮き織り)だが、重厚感がありながら柔らかそうな質感からするとおそらくビロードだろう。この、ざくろの実のような形にろくろっ首のような首がついてうねっている模様は、「ア・グリッチャ( griccia)」とくに15世紀後半にヴェネツィアをはじめ、フィレンツェなどイタリア国内の主な絹織物工房で生産され、大流行した。今でも、当時の聖職者の装束などに利用されているものが残るほか、絵画の中にも多く描かれている。

(写真は、プラート博物館所蔵)

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劇中劇ならぬ、織物中織物、ともいうべき、当時の(服地用)高級絹織物が、同じく高級織物であるタピスリーの中に織り込まれており、それがまた、本来は平面であるはずの生地が細かい折り目やグラデーションによって、見事に立体的に見えている。植物の背景は比較的ぺったりと平面的であるのに対して、貴婦人とその付き人は、絹織物に包まれてちゃんと浮き上がって見える。
今回あらためて近くで凝視して、その美しさにまたタメイキをついた。

嬉しいことに、会場にはこれと同モチーフのビロードも展示されている。

ちなみに、今月号の芸術新潮がこれまた嬉しいことに、「貴婦人と一角獣」大特集。これは事前に読んでいく時間がなかったので、会場で購入した。これからゆっくりじっくり読むのが楽しみ。

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貴婦人と一角獣展
東京、国立新美術館
2013年4月24日〜7月15日
http://www.lady-unicorn.jp/

27 aprile 2013
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by fumieve | 2013-04-28 23:20 | 見る・観る
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