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第55回ビエンナーレ国際美術展・3 企画部門、金獅子賞はティノ・セーガル

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公式・非公式さまざまな形で、多くの国や人が参加するビエンナーレの中で、総合ディレクターが直接キュレターを務めるのが「企画部門」。その企画部門で、金獅子賞を射止めたのは、英国出身のTino Sehgalだった。

ジャルディーニ内、展示館会場内で展示された彼の「作品」は、パフォーマンス。ほかの作品が展示され、観客が絶えず出入りする室内で、2人の演者が向き合い、にらみ合いをきかせながら動いていく・・・というもの。
この作品、プレオープン期間中に見たのだが、私はうっかり(?)「プレス(マスコミ関連)」のカードをつけていたために「プレスの方は写真ご遠慮ください」と止められてしまった。つけていない人は自由に、写真もヴィデオも撮り放題に撮ってたのに・・・。
もちろん、パフォーマンスは一瞬の写真ではうまく伝えることができないし、どうしても必要な場合はオフィシャルの写真を使ってくれということなのだろうけど。でもこのブログはあくまでも個人のものなので、あえて、1枚だけ止められる前に撮った写真を載せておきたい。(冒頭の写真)






企画部門には、若い作家に送られる「銀獅子賞」があるが、それを獲得したのは、アルセナーレ会場で展示されていた、Camille Henrot(仏)。
貼付けた映像は、受賞後のインタビューですが、背景にずっと作品の一部が映っているので・・・。

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また、企画部門で「特別表彰」を受けたのは、これもいずれもアルセナーレ会場に展示された作品で、1人は、米国のSharon Hayes。1965年、イタリアのピエル・パオロ・パゾリーニ監督のドキュメンタリー作品「Comizi d’amore(愛の集会)」にインスピレーションを受けて作ったドキュメンタリーらしい。残念ながら、パゾリーニの作品も見ていないし、映像はずっと英語のインタビューでよくわからないし・・・こちらとしては挫折感&劣等感のみが残った。

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これも残念ながら理解しきれなかったのは、国別参加部門で、日本と同様に「特別表彰」を受けた、リトアニア&キプロス館。

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アルセナーレ会場に近い体育館に、本棚のようなものをランダムに並べたもの・・・(としか言いようが・・・)。開幕期間中は夕方、パフォーマンスがあると言うので見に行ったが、これは会場全体を使って、2人の女性が「だるまさん転んだ」方式(つまり、少し動いて10秒とまる、みたいな)で動いていくのだが・・・うーん。

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地下では、うすい色のワンピースをまとった女性が仁王立ちになって、上半身をぶんぶんとふるわせていた。これもしばらく見ていたが(10分くらい?)それ以上の変化がなく・・・うーん・・・。
現代アートって難しい・・・。

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もう1人、企画部門で「特別表彰」を受けたのは、イタリアのロベルト・クオーギ。

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今回、ヴィデオ・インスタレーションを使った日本館を含め、受賞作品は映像やパフォーマンスが大半を占めた。国別金獅子賞のアンゴラも、「参加型」であることを考えると、純粋な、いわゆる古典的な絵画・彫刻で表彰されたのは、唯一これだけだったのだが・・・個人的に全く興味を引かれず、何度か前を通っているし、誰に止められたわけでもないのに、なぜかこの1枚しか写真を撮っていなかった・・・。

今回の企画展は「Il Palazzo Enciclopedico(The Encyclopedic Palace)」、直訳すると百科事典館。この意味は、また次回説明するとして、そんなテーマの下、企画展に集められたのは、直近の、先鋭のアーティストの作品だけでなく、19世紀あたりから振り返った、つまり厳密にはすでに「現代」でない作品も多かった。そんなこともあり、企画部門はいったいどういう作家に賞が出るのか、物故者も受賞対象になるのかが注目点の1つでもあったが、結果として、すべて現在活躍する方々が表彰された。
映像やパフォーマンスが大半を占めたのは、それがやはり2013年という今、現在の美術館の潮流であるということは間違いないのだろうが、気になるのは、とくにパフォーマンスは、毎日やっているわけではなく、期間・時間のものが多い。中には、この内覧会期間だけのものもあるから、11月24日まで開催しているビエンナーレを、これから見に来る方は見られない、ということになる。
以前、建築展でも、開幕時にはすでに壊れてしまった、日本の石上純也さんの作品が、その「挑戦」に対して金獅子賞を受賞したこともあり、ビエンナーレとはそういうものだ、と言われればそうなのかもしれない。賞は、あくまでも作品や作家に与えられるもので、ヴィジターにこびるものではない、と思う。

それでも、どちらかと言うと、目の前にある「かたち」や「色」に引かれる者として、今回の選択は、やや寂しく感じた。

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6 giugno 2013
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by fumieve | 2013-06-06 16:34 | ビエンナーレ2013
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