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ヴェネツィア ときどき イタリア

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第55回ビエンナーレ・5 オトナなドイツとフランス

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日本館のお隣、ドイツ館。
が、正面でなく、横に作られた入口には「フランス館」の表示が。

ヴェネツィア・ビエンナーレの大きな特徴の1つが、このジャルディーニ(Giardini、庭園)会場の中に建つ各国パヴィリオン。いわゆる欧米列強、日本に韓国、そして旧共産圏、といろいろと政治的な経緯を経て建つ29の建物は、毎年変わることなくそこにあり、どうしても別の会場を使わざるを得ない他の国々の批判ややっかみも含め、ビエンナーレのあり方について、常に議論の対象の1つにさらされている。

そんな固定のパヴィリオンは、不動の地であると同時にどうしてもマンネリという呪縛から逃れられない。ジャルディーニ会場の各国館はアート、建築と毎年、あるときは建物全体を覆い隠し、あるときは内装を変え、場合によっては壁や天井に穴を開け・・・と工夫をこらしてきた。
その中で今年、あっと驚く提案をしたのが、ドイツ&フランス。横に英国館をはさみ、ちょうど対峙する位置にあるこの2つの館が、場所を交換して展示を行なった。




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フランス館(@ドイツ館)は、同国の誇る作曲家ラヴェルの「左手のためのピアノ・コンチェルト」をモチーフに。ドイツ館の高い天井を生かし、広い空間を大胆に使い、2段のスクリーンと本格的な音響を入れピアノを聞かせる。

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タイトルの、Ravel Ravel Unravelは、作曲家の苗字Ravelに、英語のravel(もつれさす)、unravel(ほどく)をかけたことば遊び。

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正面のドイツ館(@フランス館)は、入ったところ中央に中国のAi WeiweiのBang。

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そしてこちらは、三葉につながる各展示室、左右に南アフリカのSantu Mofokeng、インドのDayanita Singhの写真を置き、奥にドイツのRomuald Karmakarの映像作品を展示した。

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国別パヴィリオンの展示はもちろん自由で、お国の作家だけを使わなければいけないということはないし、ほかの国のキュレターや作家を使うこともある。それでも、これだけお国らしさを消した「インターナショナル」な展示はここヴェネツィア・ビエンナーレではやはりめずらしい。
国別パヴィリオンを交換することも、全面的に他国の作家の作品を並べることも、日本もイタリアもまだまだできないだろう。展示内容もさることながら、アートの国際性や普遍性、国別パヴィリオンの意義を考えさせると同時に、ドイツの文化的成熟度をあらためて感じさせられた。

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それでいて、フランス館は極めてフランス的で、さすが!と思うし、それはそれでやはり好ましい。

アートはそれだから、おもしろい。

Padiglione Germania
Rehcstued Nollivap
Ai Weiwei/ Romualdo Karmakar/ Santu Mofokeng/ Dayanita Singh
www.deutscher-pavillon.org

Padiglione Francia
Ravel Ravel Unravel
commissaire: Christine Macel
artist: Anri Sala
www.pavillonfrancais.com

11 giugno 2013
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by fumieve | 2013-06-11 17:14 | ビエンナーレ2013
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