パラッツォ・グラッシ、
プンタ・デッラ・ドガーナに続き、ヴェネツィアのピノー財団&安藤忠雄プロジェクト第3弾、テアトリーノがこの5月末にオープンした。
テアトリーノ(Teatrino)は、ミニ・シアターの意味。
カナル・グランデに面した、パラッツォ・グラッシの裏にあたるこの場所にはもともと、野外型の劇場があったらしい。長いこと、隣接するホテルの中庭として使われていた場所に、屋内型のまったく新しい劇場が登場した。
「ミニ」シアターと思って中に入ると、その意外な広さにびっくり。1000平方メートルあるらしく、そんな広い場所が、こんな狭い路地の中に隠されていたなんて。
天井には三角形の明かり取り。ゆるく波打った壁。その壁は、タダオ・アンドーの代名詞といえる、打ちっぱなしコンクリートではなく、ヴェネツィアの伝統的な壁塗り方法である、マルモリーノ(なんちゃって大理石)を使用。空間全体が明るく、やわらかく演出されている。
また、このテアトリーノの特徴は、いわゆる通常の、ステージ&観客席のあるスペースと、外側のロビー部分とを、光・音ともに完全に遮断し、その内外で同時に、別のイベントを開催することも可能らしい。音響にはとくにこだわりを持ったほか、同時通訳用のボックスなども常設されており、国際的な会議などにも利用されていくことになるだろう。
ビエンナーレ開幕期間に合わせ、現代作家の映像作品を曜日代わりで上映していたのだが、気がついたら明日7月14日まで!
もっとも、今回は見学できなくても、次々とコンサートなどのイベントが予定されているのでご心配なく。
Teatrino
http://www.palazzograssi.it/it/programmazione-teatrino
13 luglio 2013