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ヴェネツィア ときどき イタリア

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第55回ビエンナーレ・12〜初参加のヴァチカン、ほか

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毎回、独自パビリオンで参加する国は、増えたり減ったりしているが、今年のビエンナーレの初参加組の中にはヴァチカン(Santa Sede)の名もあった。
倫理観がすっかり変化してからの現代美術と、キリスト教は折り合いが悪い。いや、キリスト教だけでなくほとんどの宗教がそうだと思うが。とくにヴァチカンの場合は、気に入らないとよその国(イタリアだって別の国)だろうが何だろうが、堂々と介入してくるので、これまでは少なくとも、水と油の関係と思われていた。



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そんなヴァチカンが、現代アートの国際的祭典、ヴェネツィア・ビエンナーレに公式参加しようというのだから、それはやはり注目を浴びた。
「作品に手を触れないでください」ならぬ、「作品に手を触れてください」の貼り紙。
大きなスクリーンの向こうに、たくさんの人が映っている。そのうちの1人に手を触れると、彼女(または彼)が生き生きと動き始める。一方、触れずにいると、すっと後ろに身を引き、後ろを向いて暗闇の向こうに去っていく。

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2次元のスクリーンなのだが、人の姿に手を触れるという行為が、あたかも命を吹き込んでいるかのよう。

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・・・結構コワイ。ちなみに、触れられずにひっこんでいく人は、もっと悲しげというか、あきらめのような表情がうらめしげに見えてもっとコワイ。

そういえば、入口には、ミケランジェロのあの「天地創造」をモチーフにした作品も展示されていた。
ほか、写真や抽象画など、複数の作家の作品の展示は無難で、可もなく不可もなく。「手に触れて・・・」がなければあまり記憶に残らないところだったが、逆にこれは、全部見た中でも最も印象に残った作品の1つとなった。

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Santa Sede
In Principio
Studio Azzurro, Josef Koudelka, Lawrence Carroll
Curatore: Antonio Paolucci

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(どれも写真がぼやぼやですみません・・・)

お隣が、昨年からここに居を構えたアルゼンチン。
ミュージカル「エビータ」や、それを元にマドンナの主演で制作した映画の主人公、エバ・ペロンをしのぶ・・・というのか、彼女の亡霊部屋みたいな作品。

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Argentina
“Eva - Argentina. Una metafora contemporanea”
Nicola Costantino
Curatore: Fernando Farina

そして・・・

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吹きっさらしの野外に、こつ然と登場したエスカレーター。今年のビエンナーレ、開幕のころにお天気が悪くて寒かった。こう見えて屋根がないから、雨はもちろん直接吹き込み、おまけに落ち葉やらほこりやらも溜まってがさがさになっていた。どう見ても、あっという間に故障しそうだったが、2カ月以上たった今でもちゃんと動いているだろうか?
誰にでもアクセスが可能なようにしなくてはならないのはわかる。だが、こ場合、階段とエレベーターを作ったほうがよかったように思えるのだが・・・。
しかも、エスカレーターは昇りのみ。下りは(別の場所にある)階段を使わなければならないのは、イタリアのせこいデパートと一緒。・・・ていうか、下りがないのならやはり意味がない。一体なぜこうなってしまうんだろう???

それはさておき、上に上がって、左側がアラブ首長国連邦サウジ・アラビア

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トンネルの奥は、大洋を旅する船の舳先。日付と、今どこにいるのか、緯度と軽度が下に映し出されている。

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・・・体験型アート、というか、アトラクション風。

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Emirati Arabi Uniti
Walking on Water
Mohammed Kazem
Curatore: Reem Fadda

右側は南アフリカ。

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こちらは複数人の作家の作品が。細かい作品がびっしり並んでいるところは、ビエンナーレ企画展に似ている。

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Sudafrica
Imaginary Fact: Contemporary South African Art and the Archive
Joanne Bloch, Wim Botha, David Koloane, Donna Kukama, Sam Nhlengethwa, Gerhard Marx, Maja Marx and Philip Miller, Zanale Muholi, Johannes Phokela, Cameron Platter, Andrew Putter, Athi-Patra Ruga, Penny Siopis, Kemang wa Lehulere, James Webb, Sue Williamson Nelisiwe Xaba
Curatori: Brenthon Maart, Brett Bailey, Nomusa Makhubu, Jay Pather, Dominic Thorburn

・・・ビエンナーレ、まだまだ、続きます。

16 agosto 2013
by fumieve | 2013-08-16 15:08 | ビエンナーレ2013
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