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ヴェネツィア ときどき イタリア

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第70回ヴェネツィア映画祭・9〜無冠の作品たち(仏語ほか編)

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比較的評価の高かった中で、結局無冠に終わったのが、グザビエ・ドラン監督・主演の「Tom à la ferme(トム・アット・ザ・ファーム)」。童話のようなタイトルと裏腹に、これもまた例に漏れずキーワードは暴力。さらに現代性を増しているのは、グザビエ演じるトムがゲイということ。お話は、トムが亡くなった彼氏のお葬式に出席するところから始まる。彼の実家は酪農家。トムが、兄と母との生活の中に入っていくのだが・・・。
ドランはまだ24歳らしいから、今後の活躍に期待、といったところ。フランス語だが、私としては、ほかのアメリカのカントリー映画4本とあまり変わりなかった。

Tom à la ferme
Xavier Dolan監督、カナダ、仏、95'
Xavier Dolan, Pierre-Yves Cardinal, Lise Roy, Evelyne Brochu




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おフランス語はやっぱりパリじゃなくっちゃ、じゃないけれど、パリの男女の生活を描いた「ジェラシー(La jalousie)」は、そのタイトル以外なにものでもない。優柔不断で売れない舞台俳優と、そんな男にイライラしつつやっぱり離れられない女も女で結構身勝手。 そういえば、今回の作品の中で数少ない、人が死なない作品だったのが、唯一の救いか・・・あ、男が途中でへなちょこ自殺をしてたっけ。
白黒なせいもあるけど、ある意味、ノスタルジックな映画。平和バンザイ!

La jalousie
Philippe Garrel監督、仏、77'
Louis Garrel, Anna Mouglalis

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今回、もう1本フランス語の作品はアルジェリアから。海に面したアルジェの町では、建物の屋上を有効活用するらしい。それは洗濯ものを干す、とか、屋上庭園とかそんな程度ではなく、バンドの練習や息抜きのおしゃべりはもちろん、ほとんど住み着いてしまっていたり、人を監禁したり、(ここでもまた!)女性を殴ったり、さらにときには殺人も。
そんなアルジェの屋上5カ所で起きる人生絵巻のオムニバス。
これだけ観ていたら、もしかしたら結構「まあまあ」だったのかもしれないが、金獅子賞をとった「サクロ・グラ(Sacro GRA)」を観た直後だったので、「あれには叶わないな」と思った。世の中ほんとに、大げさなツクリごとよりも淡々とした日常のほうが味わい深い。

Es-Stouh (Les Terrasses)、
Merzak Allouache監督、アルジェリア、仏、94'
Adila Bendimerad, Nassima Belmihoub, Ahcene Benzerari, Aïssa Chouat, Mourad Khen, Myriam Ait El Hadj

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ある意味、似たような路線とも言えるし、まったく逆とも言えるのがアモス・ギタイ監督(Amos Gitai)の「アナ・アラビア(Ana Arabia)」。ジャーナリストだと名乗る若い女性が、イスラエルの路地裏の住宅を訪ねる。写し出されるのがごく普通の無名の人々だし、特別なことは何も起きない。ただ、「サクロ・グラ」とも「テラス」とも違うのは、オムニバス形式ではなく、あくまでもこの1人の女性を中心にして、彼女が話を聞いてまわる数人途中、一切カットなしで、ずっと彼女の姿や周りの様子を負っているので、ドキュメンタリーのようにも見える。
語っているのはそこで、かつてはユダヤ人もイスラム系の人も、分け隔たりなく暮らしていたということ。(字幕を読み切れず完全に理解できなかったのだが、最初に立ち退きの話をしていた気がするので、強制移住地区とかなのかもしれない。)
映画祭で賞を取りそうな映画、という感じではあったが、残念ながら無冠に終わった。

Ana Arabia
Amos Gitai監督、イスラエル、仏、84'
Yuval Scharf, Sarah Adler, Uri Gavriel, Norman Issa, Yussuf Abuwarda, Shady Srur, Assi Levy

・・・まだまだ・・・続きます・・・。

12 settembre 2013
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by fumieve | 2013-09-12 15:43 | 映画
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