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ヴェネツィア ときどき イタリア

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ヴィーヴァ・ヴェルディ!@ヴェネツィア音楽院

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久しぶりに、音楽で心が震える体験をした。
2013年10月10日は、イタリアの作曲家ジュゼッペ・ヴェルディが誕生してちょうど200年。イタリア各地で、いやおそらく世界のあちこちでも、この偉大な作曲家を記念するコンサートや行事があったに違いない。
ここヴェネツィアでは、8日から10日の3日間、音楽院の建物の中ですてきなイベントが開催された。
先日は前の広場で少年たちがサッカーに興じていたが、)現在ヴェネツィアの音楽院となっている建物はもともと17世紀に建てられ、18世紀に増築されたもの。当時有力な貴族であったピサーニ家が所有していたことから、ピサーニ館(Palazzo Pisani)と呼ばれる。
その歴史的建物の中を、ガイドに従って歩きつつ、各部屋で音楽を楽しむという試み。そういえば、こうして歩いてついて回って、立ち止まって耳を傾ける、というのは、以前、グリマーニ館で行なわれた「詩節の部屋」と一緒。コンサート・ホールで座ったまま、次々に演奏を聴くのももちろんいいけれども、音楽院内外の演奏家たちの演奏はもちろん、ふだんは入れない建物を見物するという二重の楽しみがある。




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最初は、唯一部外者でも入る機会のある、コンサート・ホール。もともとはダンス・ホールとして作られた部屋で、四方の壁いっぱいに「トラヴィアータ(椿姫)」(と思われる)のダンスの場面の映像を映し出して、少し怪しい雰囲気の中で、オルガンの二重奏。

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ヴェルディのオペラ「マクベス」および「トラヴィアータ」からプレリュード。

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迷路のような建物の中を歩きながら、ガイドさん(音楽院の学生さんと思われる)が歴史的説明なども少々。とくに、天井画がきれいに残っているところが多くタメイキ。
途中、ヴェルディ自筆の手紙や楽譜、あるいは初演時の衣装なども展示されていたりして、ちょっとしたヴェルディ展のようになっている。

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次に案内されたのは、アコーディオンの二重奏と三重奏。こちらはなんと、現代の作曲家たちの作品で、ヴェルディにインスピレーションを受けて作ったものだそう。アコーディオンはここでは「新しい」楽器というカテゴリーにあたり、ヴェルディがいつまでも古くならずに新世代に引き継がれていく、というような意図が込められているらしい。

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3つめはピアノの三重奏。時間配分のミスで1曲めは途中からになってしまったが、2曲めに演奏された「トラヴィアータによるファンタジー」は、ヴェルディ自身によるもの。ミラノの音楽院で眠っていた楽譜を、真ん中で演奏されていたトッファニン(Toffanin)教授が発掘したとかで、演奏自体聴く機会がほとんどない貴重なものだとか。

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そしてサックス四重奏は「アイーダ」から。

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サクソフォーンの何ともセンチメンタルな音は、エキゾチックな旋律にピッタリ!それでいて、あのファンファーレの、華やかで伸びやか音にもなり、サックスという楽器の魅力に改めて気付かされた。

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ここでようやく、ソプラノの渡辺麻子さん登場。
以前から何度か紹介しているピアノの渡辺麻子さんとは同性同名で大学の同級生でもある彼女たちは、もう1人同姓同名の三味線の麻子さんと3人で演奏会も行なっている。いつかイタリアでも実現してくれたらいいな〜と思っているのだが・・・。

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その麻子さんは「運命の力」のアリアで、聴衆たちに一瞬にして歌の力を見せつけた。

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こちらは同じ歌でも、オペラのアリアではなく、ヴェルディが歌とピアノのために作曲したという作品を4曲。はじめの3つはヤコポ・ヴィットレッリという人による作詞、最後の1曲「ストルネッロ」はヴェルディ自身が作詞作曲したものだった。

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1階のホールで、決して広くない階段をあえて利用した合唱は圧巻。

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指揮兼伴奏の先生と向き合って、最初は立って歌っていたのだが「ナブッコ」の「ヘブライ人奴隷の合唱」はその階段にみんな腰を下ろして。そう、オペラは演技をしながらの歌だからコンサートホールで整列して歌うのではなく、こういう演出だってアリなのだった。

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最後の最後は、金管合奏によるもちろん「アイーダ」。

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正直のところ、この音楽院の金管は以前からやや疑問あり、始まる前から別の意味でドキドキ。指揮者も若〜〜〜くて、まるで中学生の息子のブラスバンドの発表会を見に来た母親の気分。案の定、出だしがバラバラで、ああ・・・。

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でも、うまい具合に2階からのぞく窓を使って、トランペット隊が見下ろす様は、まさにオペラの演出そのまま。最後までハラハラさせられつつも、やっぱりあのファンファーレは何にも代え難く、いい気分でヴェルディ・ツアーを終了。8時ごろ入って、出てきたのは10時をとっくに回っていた。

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正直、期待を大きく上回った珍しい演奏会、もちろんイタリアのことなので、手際や要領の悪いことは多々あった。とくに身近なところだけに、関係者各位の混乱や奮闘がついつい頭に浮かんでは勝手に同情してしまう。たとえば、最終日の遅めの時間で、ま、いろいろあったのだとは思うが、ある演奏は途中から聴く羽目になったり、それどころかプログラムに載っていたうちのいくつかの演奏が聴けなかったのはとても残念。だが、それでも、聴くことができた演奏だけでもほんとうにすばらしかったし、30分以上並んで入ったのも、1日の疲れも、全部ふっとぶほど楽しんだ。
演奏する方からすると、夕方6時半から夜10時ごろまで、ぞろぞろと次々にやってくる聴衆のために、1時間に何度も同じ演奏をするのはかなりしんどいだろうと思う。それも3日間連続。
だから、すぐにとは言わないけれど、こんなイベントをまたいつか、何かの機会にやってくれたら嬉しい。

VivaVerdi!
8-9-10 ottobre 2013
Conservatorio Benedetto Marcello di Venezia
in collaborazione con la Biennale Musica 2013
con i musicisti dei Conservatori di Venezia, Rovigo e Vicenza

11 ottobre 2013
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by fumieve | 2013-10-11 15:59 | 聞く・聴く
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