ブログトップ

ヴェネツィア ときどき イタリア

fumiemve.exblog.jp

バルセロナにて〜サグラダ・ファミリア

a0091348_17265232.jpg


うわあああああ〜〜〜!!!!!
・・・中に入ったとたんに声をあげた。
バルセロナの誇る建築家、アントニオ・ガウディが生涯をかけて設計した、サグラダ・ファミリア聖堂(Sagrada Familia)。度肝を抜くとは、このことか。
外側にいるとかえってわかりづらいその巨大な空間、白い巨木の森のような内部は、思いがけない光に満ちあふれていた。信じられないほど明るく、だがやわらかで優しい光。




a0091348_17372485.jpg


少し落ち着いてみると、その森は実は、ゴシック様式の聖堂の基礎にのっとっているらしいことがわかる。

a0091348_1792438.jpg


建物自体を大きくすればするほど、壁が厚く、窓が小さく、したがって中は暗い空間になっていった「ロマネスク」とよばれる教会建築から、屋根の重さを分散させることによってより上に高く、だが同時に大きく取れるようになった窓にステンドグラスをはめた、のちにゴシックとよばれるようになる建築が生まれたとき、それを目にしたときの当時の人々の驚きも、きっとこんなようなものだったのかもしれない。
私もこれまで、ヨーロッパでいくつか有名なゴシックの大聖堂も見学し、その美しさは筆舌に尽くし難いのだが、ある意味、どこも同じように見えてしまうそれらに比べて、ここはもう根本的に自分の中の「大聖堂」という概念をひっくり返すような、そのくらいの衝撃だった。
20世紀以降のミニマムでシンプルな教会とも違う、伝統を完全に受け継ぎつつも、全くあたらしい聖堂。

a0091348_17401940.jpg


ひたすら、口を開けば「すごいすごい」(だけ)を繰り返し、阿呆のようにひたすらシャッターをきった、その写真をここで仕方なく(でもせっかくだから大量に)披露するが、実際に目にしたものはこれよりもずっとずっと明るかったことを明記しておかなくてはならない。

a0091348_17155790.jpg


全面ガラス張りの建物でもこれだけ明るくはないのではないか、いやむしろ、ガラス張りのように日光が直接あたるのではなく、この森と、森のような窓を通ることによって、光がゆるやかにこの空間を満たしている。
ステンドグラスがまだ完成しておらず、一部は透明のガラスが入っているところがあるから、それが全部ステンドグラスになると多少は光の具合も変わるかもしれない。だが、おそらく大方は変わりないのでは。

a0091348_17314694.jpg


この光の秘密は、現地で購入したガイドブック「サグラダ・ファミリア聖堂」(Jordi Fauli著、Ediciones Aldeasa、2006年、日本語版!)によると、開口部の形にあるらしい。

a0091348_1713379.jpg


ヴォールト(つまり天井)の開口部が双曲面状になっているが、それは「外光を最大限取り込み、内部を広く照らすのに適した形と言える」。双曲面状というのは、2つの輪っかの間に、たけひごを斜めに張ってつなげたもので、天井を見上げたときにいくつもの「たこつぼ」で埋め尽くされているように見えるが、それのこと。「たこつぼ」は陶片と金の入ったガラスなどで飾られており、外の光を受けてちらちらと輝いている。そしてその「たこつぼ」は曲線とはいえ、直線の連続でできているため、工事などの作業は容易らしい。
この「たこつぼ」ならぬ双曲面は、天井だけでなく、実はステンドグラスのはまった窓にも使われている。窓枠がぼってりと分厚く立体的なのは、単に装飾目的なのではなく、工学的に、緻密に計算された結果なのだった!

a0091348_1714887.jpg


今回はたまたま日程の都合で、バルセロナ滞在の最終日に訪れたのだが、これがまた正解だった。数日の間にあれやこれや見て、前日には、まるで実はガウディの下宿屋のおばさんだったのでは?というくらい親しみをこめて彼の人となりについて語る友人の話を聞いて、万全の態勢で臨んだサグラダ・ファミリア。ようやくたどりついた、という一種の安心感とともに、それを何倍にも上回る驚きと感動に、ただひたすら浸った。我ながら陳腐な表現だと思うが、ほんとうにそれ以上の言葉が見つからない。
1つ1つのステンドグラスやファサードの彫刻、そして塔の上の工事現場と、見るべきものはまだまただくさんあるのだが、今回はもうこれだけで十分だった。

a0091348_17201049.jpg


ちなみに前述の本は、観光地によくありがちな写真中心のおみやげ用ガイドブックという体裁だが、ガウディが、伝統的な建築を押さえつつ、いかに画期的な工法を発案したのか、その天才どころがとてもわかりやすく解説されている。図版も多く、写真もきれいでお勧め。次回は(もうすっかり、再訪するつもりでいる)これを持参して、今度はもう少しじっくり落ち着いて見学したいと思う。

a0091348_17174913.jpg


12 ottobre 2013
[PR]
by fumieve | 2013-10-12 17:21 | 異国の旅
<< バルセロナにて・2〜タパスばんざい! ヴィーヴァ・ヴェルディ!@ヴェ... >>