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ヴェネツィア ときどき イタリア

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バルセロナにて・5〜ピカソ美術館

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イタリアや、ヨーロッパの美術館ではしばしば、作品の前で写生をしている人を見かける。趣味でスケッチしているらしい人、あるいは学校のグループの子どもたちもあれば、 明らかに美術系の専門の学生さんもいる。
過去の作品を模写するのは、古くから美術を志すものの基本。その伝統がここではごく普通に生きているのだが、それがあのピカソも、と思うとやはり感慨深い。




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パブロ・ピカソは1957年、4カ月ほどの間に、マドリッドのプラド美術館にある「ラス・メニーナス」という縦横およそ3mのベラスケスの大作をモチーフにした58点もの作品を描いた。もっとも、描いたのはプラド内ではなく、南仏ニースのアトリエらしい。
その連作全作品が、このバルセロナのピカソ美術館に、一堂に並べられている。

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ピカソという大天才が、同国の大先輩であるベラスケスの超有名な作品を写す。

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中央のマルゲリータ王女やおつきの女官たち。個別だったり、部分だったり、あるいは全体だったり。

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それがなにしろあのピカソなもんだから、目や鼻や口があっちゃこっちゃ向いていたり、体が積み木みたいになっちゃってたり、えらいことになっている。もちろん、遠近感だってすべて狂って、遠くの人が大きくなっていたり、かと思うと、手前の人が消滅していたり。従順に控える犬だって容赦ない。ダックスフントのようなのはまだマシ。子どもの描いたキツネや、ネズミみたいなのだっている。
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ピカソという偉大な画家の奇才ぶりに舌を巻きつつ、同時に、いじり倒されてますます、元の「ラス・メニーナス」がいかに完璧な構図の中に描かれ、なおかつミステリアスで魅力的な作品であることに気付く。

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そう、先日の、ヴェルディのイヴェントの際に思ったこと。
「名作」は何年たっても「名作」であるだけでなく、どんなにいじられてもまた「名作」だということ。それは音楽でも、美術でもまた同じ。

別の展示室にある、「ラス・メニーナス」の合間に描かれた鳩のシリーズは、まさに息抜きそのもののよう。こちらもとてもよかった。

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旧市街にある美術館の建物は、もともと13-14世紀に建てられたもの。その後何度か改築され、現在の建物は主に18世紀に整備された。
残念ながら閉館まで時間がなく、中庭を含めよくよく観察する余裕がなかったのだが、バルセロナ・ゴシックのスタイルをよく残した建物とされている。

1963年より、ピカソ本人がバルセロナ市に寄贈した作品と、彼の秘書であり友人であったジャウメ・サバルテスのコレクションを中心に、ピカソ美術館としてオープン。今年、2013年はちょうど開館50周年にあたる。

館内撮影禁止のため、画像は公式サイト、およびwikipaintings から拝借。

El Museu Picasso
http://www.museupicasso.bcn.cat/

16 ottobre 2013
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by fumieve | 2013-10-16 15:28 | 異国の旅
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