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ヴェネツィア ときどき イタリア

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ゴンドラ造船所、トラモンティン工房に潜入!

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ヴェネツィア内にいくつかあるゴンドラ工房の1つトラモンティン(Tramontin)は、1884年2月2日に、ドメニコ・トラモンティン氏が創業。現在はそのひ孫にあたる、ロベルトさんがゴンドラを作っている。




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世界で唯一、ヴェネツィアだけで作られ、世界中の人を魅了するヴェネツィアのゴンドラは、ロベルトさんいわく「舟ではない」。現在ここで修行中の弟子は、ロンドンで船舶工学を学んだと聞くといかにも優秀だが、「そんな知識は全く役に立たない」とキッパリ。

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ゴンドラは、乗ったことのある人はご存知であろう、左右対称でなく一方に傾いており、舟底がきゅっとカーヴしている。これはすべて、ゴンドリエーレ(ゴンドラ漕ぎ)が1人で、舟の中央でなく左側に立ち、1本の櫂で漕ぐことによる。その状態で、舟をまっすぐ前に進めるためには、舟のほうの形を変えておく必要がある。

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すべてが微妙なバランスで成り立っているから、当然のことながらゴンドリエーレの体重によりゴンドラの重心を変える必要がある。つまりゴンドラはすべて、ゴンドリエーレの体型に合わせたオーダーメイド。もっとも10kg程度の変化までは許容範囲らしいが、それを越えると「洋服と一緒で」新しいものに変える必要がある、とか。

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使う材質は、部位によりさまざま。本体はオーク。それも舟に向いているのはフランス産のもの。下腹部はモミ、これはイタリアやオーストリア産。甲板にあたる部分(?)はヤナギ、内側はサクラ、先端のカヴァー部分はマホガニー、縁はクルミ、などなど。もちろん同じ木材でも、それぞれの特徴を生かして利用しているため。

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使用する環境にもよるが、ゴンドラの寿命はだいたい、40年くらい。もちろん、定期的なメンテナンスは欠かせない。
創業者の代には、1カ月に何艘もゴンドラを作っていたこともあるらしいが、現在は平均して、新たに作っているゴンドラは1年に1艘程度。それだけ手間のかかる仕事であることももちろんだが、メンテナンスの作業がより多いためもあるだろう。

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スクエーロ(squero)と呼ばれる、いわゆる造船所で作られているのは、この本体のみのここまで。それ以外のパーツや装飾品などは、やはりヴェネツィア内に点在する、それぞれ専門の工房で作られる。

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先週末、10月19日(土)に、この工房の一般見学会が行なわれた。
通常はなかなか見学することのできない工房を特別に公開したのは、ユニセフの活動の一環で、見学者から1人最低10ユーロの寄付金を集め、それをシリアの子ども達への支援にするため。

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参加していたのは、全部で40名くらいだっただろうか、ただしそのうち半分は地元の美術高校の1クラス20名程で、彼らからは10ユーロ取っていないだろうから、果たしてそんなにまとまったお金が集まったのかどうか・・・せっかくの活動、もう少しうまく宣伝できなかったのかと思うとちょっと残念。
またこういう機会があるといいと思う。

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21 ottobre 2013
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by fumieve | 2013-10-22 06:38 | ヴェネツィア
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