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折り紙で演出!「L’Uccello di fuoco(火の鳥)」

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世にもすてきな「火の鳥」を観た。(残念ながら写真はどれも今1つだが・・・)

女性2人によるオリジナルのお芝居。




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モデナ市立ルチアーノ・パヴァロッティ劇場にて、朝10時からと特殊だったのは、この公演が一応、4-10歳の子ども対象、とされていたため。市内や、ひょっとしたら近郊からもきていたのだろうか、500人あまりの子どもたちで埋め尽くされていた劇場のすてきなことといったら!

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舞台の幕開けは、大人だってどきどきするものだけど、開演前の彼らの興奮状態といったらもう、ほんとうにこちらまでエネルギーをもらって元気になる感じ。
その彼らの手元には、よく見ると紙で折った風船。

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そう、歌とダンスと演技で構成されたオリジナルの「火の鳥」を、唯一無二にしているのがこの折り紙による演出。その舞台美術および衣装を担当するのは、ペルージャ在住のアユミさん。

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平面の紙を折って、立体を作る。シンプルで美しい、だけではない。2次元から3次元への転換が、舞台の中でしばしば効果的に使われる。鳥のはばたき。プリンセスの冠やスカート、おじいさんのヒゲや水しぶき。無からいきなり、塔が現れる様子はまるで手品のよう。
ミニマリズムな、折り紙風な舞台演出はほかにもあるだろう。だがこれは、正真正銘、ほんものの折り紙。舞台の上で自由自在なら、セッティングも片付けも、そして持ち運びも簡単。ぱたぱたとたたんで、トランク1つにすべて収めて、はいっ終了。
監督兼歌って踊れる女優のジュリアさんは、そんな折り紙の経済性に目をつけて、これまでも折り紙を教えたり、作品に使ったりしていた絵本画家のアユミさんに協力を依頼したらしい。

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白の衣装に、白い折り紙の舞台。
タイトルにもある「火の鳥」の「火」を、いったいこの白い紙だけでどう表現するのだろう?と思っていた。見て、ああなるほど・・・と思う間もなく、会場中が爆笑の渦に包まれている。子どもたちのうれしそうな笑い声。えっ?何がおかしいの?・・・そこ、笑うとこちゃうやん?と、心の中で、なぜか関西弁で突っ込みをいれる私。
どうやら彼らには、「火」を現すジェスチャーがツボだったらしい。
2回めに同じ場面が出てきたときにもまた爆笑。ほら、あれ、出た出た!みたいな感じ。
そして3回め。・・・今度は笑いが起きず、ははーん、飽きたのかな?と思いきや、よくよく見るとたくさんの子どもたちが、みんなてんでばらばらに「火」のジェスチャーをしていた。・・・子どもっておもしろい。

そして彼らの手元にあった「紙風船」は、最後のお楽しみ。みんながこの舞台に参加するためにあるのだった。これまでの公演では、最初に簡単なワークショップを行なって、この紙風船を一緒に作っていたそう。今回は500人もの子どもたちと、この会場では無理ということで、あらかじめ用意しておいたらしい。

折り紙の演出もニクイのだが、それぞれが1人2役をこなし、さらに「声」はヴォイス・チェインジャー(というのだろうか?)を利用してまったく1人で、役柄も複数分ならば、音楽でもリズム、伴奏、歌と自分の声に声を重ねていくのがこれまたお見事!
そしてテンポのいい歌のところでは、会場が手拍子に包まれたり、と、ともかくインタラクティヴ。

命のあるものをすべて、石に変えることができる魔法使いにとらわれているヴァジリッサ姫を助けに、遠路はるばるでかけていくイヴァン王子。彼は、「火の鳥」の羽を使ってその魔法を解くことができるのだった・・・。

もともとは子ども向けに企画された舞台なのかもしれないけど、大人が観ても十分に楽しめる。
大きな劇場での公演は、今回が初めて。なにしろ、折りたたみで空間設定も自由度が高いのもウリ。これからもっともっと、イタリア全国のあちこちの劇場で公演されることを切望しつつ、第2弾、3弾の作品にも期待したい。

L’Uccello di fuoco
Teatro comunale di Modena Luciano Pavarotti
Art Niveau
監督・出演 Giulia Zeetti
出演 Cicilia Ventriglia
舞台美術・衣装 Ayumi Makita
効果 Giacomo Agnifili

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25 ottobre 2013
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by fumieve | 2013-10-26 07:41 | 見る・観る
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