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ヴェネツィア ときどき イタリア

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衣装美術館、モチェニーゴ館リニューアル

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これまでに何度か、展覧会の紹介などしてきたモチェニーゴ館博物館(Museo di Palazzo Mocenigo)。大規模な改装・修復工事を終え、この11月1日にリニューアル・オープンした。



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入って、いろいろな意味でビックリ。
まず、この建物の最後の主であったモチェニーゴ夫人の化粧室が、これももともとは非公開だったのを何年か前に修復して公開されるようになっていたのだが、それが全部取っ払われている。どうやら、そのあたりはせいぜい20世紀前半のものだから、というので、17世紀はじめの姿に「再現」することにしたらしいのだが・・・。
あれはあれでノスタルジックですてきだったし、何よりそれも、この建物の歴史の一部だったはずなのに、ちょっと残念。
寝室などもすべて、全く別の部屋になっている。

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(このあたり、一度くらいは写真を撮っているのではないかと思ったが、見つからず・・・そのうちよく探してみようと思う)


そして次にビックリしたのが展示方法。もともとの邸宅を博物館化した、その特徴を生かすために、以前から、鏡やシャンデリアはもちろん、ほかにもちょっとした年代ものの調度品も飾られていたが、新しい展示ではまさに、そこに今だ人が暮らしているかのように、ガラスや陶磁器などが置かれている。もちろん、どれも数百年前の「博物館もの」。

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そしてそして、ここは、服飾美術、工芸の専門図書館と保管所を兼ねているのだが、ある意味、ガラスや陶磁器よりもずっと繊細で貴重な、ベルベット生地やレースが「ふんだん」に使われている。

もちろん、どんな工芸品にしたって、暗いガラスケースの中に鎮座しているものを眺めるより、こうして「生」で目にすることができればそれにこしたことはない。だが、天然の繊維でできている「布」ものは、紙と同じかそれ以上に、外気の、つまり温度、湿度、大気の汚れ、そしてとくに人が吐き出す二酸化炭素や汗などに弱い。

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いくら同美術館には、同じようなベルベットがいくつか所蔵されているとはいえ、例えばこの、500年前のベルベットは、ただ単に古いというだけでなく、今の道具と技術では再現できないものもある。それをみすみす、風化させるような展示にする必要があるのだろうか?

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博物館というより、高級なアンティーク屋にいるような錯覚を覚える。

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いろいろなものが、あちらこちらに「自然に」置かれているために、たとえ悪気がなくても、「生」で見るだけでなく、うっかり触れてしまうこともあるだろう。

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さらなるビックリはこちら。

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たくさんのマネキンに迎え入れられるこのお部屋、これもマネキンの間を自由に歩いて、ぐるっと周りを好きなように見学できるのは、ある意味すばらしい。だが、これまたほんとうに悪気がなくても、こっちを見ていてうっかりあっちにぶつかったり、踏んづけたりしてしまいそう。

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オペラなど舞台美術家のピエルルイジ・ピッツィ氏のプロデュースと聞いて納得。どうりで妙にドラマチックで、以前と違って派手好みだと思った・・・。

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こちら、一見、町のブラウス屋さん?

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・・・似ているけど、展示されているのは、いわゆる男性の「ベスト」。

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後半は、今回新たに加わった「香水」をテーマにしたセクション。

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地中海貿易で栄えたヴェネツィア、欧州のファッション・リーダーだったヴェネツィアでは、食品用の香辛料とともに、東方からさまざまな「香料」も届き、それらをブレンドした香水もおおいに発達したらしい。

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ここは、いろいろな香りの原料の匂いを、実際に試してみることができるようになっている。

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これはさすがにアンティークではないけれど、1つ1つ、わざわざムラーノ・ガラスを使っていてビックリ。はっきり言って、あっと言う間に欠けたりなくなったりしそうだけど・・・まあ、このセクションは、もともとスポンサーつきのようだし、いいのかな・・・。

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間違いなく、以前より数倍派手になっているし、「参加型」要素が強いのでビジターには楽しめると思う。ただ、監視員のみなさんの負担は今までの比ではないだろう。せっかく開いたのはいいけどそのうち、先日の東洋美術館のように、人員不足で一部閉鎖、みたいなことにならないといいのだが・・・。

おとなしくてお行儀のよい日本のみなさんにはお勧めできるけど、正直のところそれ以外の人々には、なるべく来てほしくないかも。

モチェニーゴ美術館
Museo di Palazzo Mocenigo
Santa Croce 1992 (San Stae)
Tel. 041 7217 98
mocenigo.visitmuve.it


11 novembre 2013
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by fumieve | 2013-11-12 00:01 | 見る・観る
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