ブログトップ

ヴェネツィア ときどき イタリア

fumiemve.exblog.jp

パラッツォ・グリマーニにトスカーナの風

a0091348_18312043.jpg


1937年、スペイン内戦のさなか、高さ1メートルほどの「若き聖ヨハネ」は、こっぱみじんに砕かれた。
フィレンツェの奇石修復研究所がその1つ1つのかけらを組み立てて、もとの姿を再現したのは、1495年から96年にかけて、当時は20歳そこそこのミケランジェロが、ロレンツォ・ディ・ピエルフランチェスコ・デ・メディチのために作成した作品とほぼ断定されている。
その後、所有していたコジモ1世が1537年に、アンダルシアのフランシスコ・デ・ロス・コボスへ贈呈したのは、彼が皇帝カルロス5世の宰相であり、メディチ家がフィレンツェの政権奪回を支援するとの約束をとりつけた証だった。フランンシスコ自身が、ウベダという町で自らの霊廟の装飾の1部とし、爆撃を受けるまでそこにあった。




a0091348_18311210.jpg


(破壊前の写真、下は修復後、全身の写真が見つからない・・・)

このヴェネツィアでの展示のあとは、スペインへ、元のサルヴァドル聖堂の礼拝堂に戻されることになっている。

a0091348_18311429.jpg


同じく、フィレンツェの修復研究所で修復されてきれいになったのが、ティツィアーノの「美人の肖像(La Bella)」。こちらは、フィレンツェ、ピッティ美術館の所蔵品で、やはりこの展示のあとはフィレンツェに戻る予定。

a0091348_18323765.jpg


先日の三嶋りつ恵さんの個展は例外として、最近は、修復作品の展示が定番になりつつあるパラッツォ・グラッシ。だが、これまで見た聖セバスティアーノ教会のヴェロネーゼの天井画や、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会で隣の火事の際に「水害」にあったティツィアーノのように、もともとヴェネツィアにある作品はともかく、ティツィアーノがヴェネツィアの人だとはいえ、フィレンツェにある作品をフィレンツェで修復作業をして、わざわざここに(しかもこれだけで)持ってくるのは正直どうなのか?(もちろん、そうはいってもヴェネツィアにティツァーノの肖像は皆無だし、1つでも多くの作品を近くで見られるのは悪くないことだけれど。)

a0091348_18322843.jpg


そしてもう1つ、今展示中の目玉なのが、ヴァザーリの「信仰」。
こちらはもともと、カナル・グランデに面した、コルネール・スピネッリ(Corner Spinelli)館の天井の一部を飾っていたもの。1542年に当時の館主であったジョヴァンニ・コルナーロ(Giovanni Cornaro)がジョルジョ・ヴァザーリに天井を埋める9枚の絵を依頼したことが、ヴァザーリ本人の記録に残っているという。
うち、5枚が「徳」、4枚がプッティなどを描いたもので、1961年に「正義」、「忍耐」、および2枚のプッティは、ローマのディ・カプア・コレクションに、「希望」はロンドンのWeidenfeld コレクションに含まれていることが判明したが、残りは散失したと思われた。
うち、ローマのコレクションのうち3点は1981年、2002年にイタリア政府が購入、ヴェネツィアのアッカデミア美術館の所蔵となった。同時に、ミラノ美術監督庁の元で保管されていた中央の1枚に関しては、同じくヴェネツィア・アッカデミアの保護下に移動された。
1987年より、ヴェネツィア美術監督庁では、これらの天井画をヴェネツィアにおける当時のトスカーナのマニエリスム派の存在を伝える貴重なものとして重視していた。

同じ2002年に同作品「信仰」が評価額50万〜70万ポンドで、ロンドンのクリスティーズで競売にかけられた。このときはイタリア政府は購入が叶わなかったが、2011年12月に所有者からイタリア政府へ売却の提案があり、最終的に41万3千ユーロで獲得。
これは、国、政府各機関および複数の財団などの多くの協力の下に実現した。

説明が長くなったが、そういうわけで、このヴァザーリの「信仰」も現在このパラッツォ・グリマーニに展示されている。

(画像はそれぞれ、http://www.religionenlibertad.com/articulo.asp?idarticulo=30168、http://www.stilearte.it/ 、http://www.beniculturali.it/ から拝借。・・・国立の同じ美術館の中で、同じ文化省主催で、同時にやっている展示、なぜ一カ所で画像が見つからないの・・・???)


Il San Giovannino di Úbeda
Palazzo Grimani
4 dic 2013 - 23 feb 2014

“La Bella” di Tiziano a Palazzo Grimani
Palazzo Grimani
1° nov 2013 - 26 gen 2014

www.palazzogrimani.org

8 dicembre 2013
[PR]
by fumieve | 2013-12-08 18:36 | 見る・観る
<< 悲しく、やがて情けなきヴェネツ... トレントのクリスマス・マーケッ... >>