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ヴェネツィア ときどき イタリア

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「皇帝ティトゥスの慈悲」モーツァルト、フェニーチェ劇場

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仕事もいっぱいいっぱい、諸々のストレス続きでハードな1週間の、ヘトヘトな1日。幸いなことにたった5分の遅れで到着した電車を降り、雨の中あわてて帰宅し、長靴にはきかえて小走りで劇場へ。階段をかけあがり、席に座るのと照明が落ちるのがほぼ同時だった。
間に合わなければ、仕事のあと直接劇場へ向かってもよかったのだが、そうできなかったのは、ちょうど公演が終わる時間に、アックアアルタのピークが予想されていたため。120cmとなると、長靴なしの帰宅はやっかいになる。



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そんなわけで幕が開くころには心身ともに疲労困憊、第1幕はうとうと・・・どころか爆睡の恐れがあったが、我ながら意外にも舞台に集中できた。先週のロッシーニ「絹のはしご」もそうだが、大編成・重厚長大型よりも小編成のオペラのほうが、1つ1つの音や歌がクリアなためか、かえってピリッと緊張感がある気がする。
そしてやはりロッシーニ同様、しっかり「前奏曲」のある作品は、まさにこれから起きるドラマを想像してわくわくできる、この時間がまた楽しい。

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舞台はアールデコ調とクラシック(設定がローマ帝国なので)のミックス。衣装は近代風。姫だけが、ディズニーのシンデレラのいじわるなお姉さん風。白い舞台にフクシア色の幅の広いドレスなので遠目にも存在感大で、まあオペラ一般という意味では、やはりプリマドンナだけれど、この演目では役としては3番目くらいの立ち位置だと思われるので、ややアンバランスな感じもするのだが・・・。

そして気になったのは、「火」。
ほんものの「火」を使う演出は、屋外の劇場だけでなく室内でも、ここフェニーチェ劇場でも今までもないわけではない。だが、まさにこのフェニーチェ劇場が火災により全焼したのは、1996年1月29日、ちょうど18年前の昨日のこと。再建工事には8年を費やし、つい1カ月前に再開10周年記念を1カ月前に祝ったばかりで、ぼおおおっと大きな炎をステージの上で見るのは、いくら絶対に安全だとわかっていてもどきどきしてしまう。

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・・・と、相変わらず見た目に気をとられつつ「観て」いたのだが、おおっと思わず身を乗り出したのはクラリネット。モーツァルトは木管楽器の扱いがまたニクイというか、とくにクラリネットはたいがいどの作品でもとってもイイのだけど、これは途中で、ソプラノと一対一の二重奏に。同じモーツァルトのクラリネット協奏曲を思わせる、優雅で美しい、あま〜いクラリネット、いったい誰が(ってもちろん、楽団のクラリネット奏者だけど)と、オーケストラ・ボックスを覗き込むと、なんとボックスの中で立ち上がってクラリネットを吹いていた。うううーん、しびれる・・・。かっこいい〜〜〜

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それ以降は、舞台の上そっちのけで、クラリネット奏者に集中していた。第2幕にも同じくクライマックスで歌との絡みがあるのだが、今度はバス・クラリネット。うわ〜なんていい音。オーボエでもフルートでもなく、クラリネットのやわらかい音、やっぱり好きだわ・・・。

よりによってこんな忙しいときに、フェニーチェはなんで2週連続で公演やるの?と、くじけそうだったけど、やはり聴きに行ってよかった。

歌のソリストはもちろん、合唱も、楽団のみなさん、そして指揮、演出・・・諸々すべてのみなさんに拍手、でも今日の個人的「喝采」は、クラリネッティスタ氏に。

(写真はすべて公式サイトより拝借)

La clemenza di Tito
Tito Carlo Allemano
Servilia Julie Mathevet
Vitellia Carmela Remigio
Annio Raffaella Milanesi
Sesto Monica Bacelli
Publio Luca Dall’Amico

指揮 Ottavio Dantone
監督 Ursel Herrmann e Karl-Ernst Herrmann
舞台、衣装、照明 Karl-Ernst Herrmann

フェニーチェ劇場管弦楽団および合唱団
合唱指揮 Claudio Marino Moretti
チェンバロ Roberta Ferrari
舞台美術 マドリッド王立劇場

http://www.teatrolafenice.it/

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30 gen 2014
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by fumieve | 2014-01-31 23:57 | 聞く・聴く
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