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ヴェネツィア ときどき イタリア

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ミラノのフォロ・ロマーノ、アンブロジアーナ図書館地下を一般公開

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ミラノのドォーモから5分と離れていないアンブロジアーナ図書館・絵画館の地下には、フォロ・ロマーノ(Foro Romano)、すなわちローマ時代の広場の跡が残っている。
長いこと、知る人ぞ知る存在だった遺跡が、ようやく一般に公開されることになった。
今のところ、月1回、毎月第一土曜日のみというので、まだかなり限られた時間とはいえ、これまでは関係者や専門家しか近づけなかった貴重な古代遺産に、誰もが入れるようになったのは好ましい。
来月からの有料(3ユーロ)公開に向け、1月末の1週間だけ、特別公開となった。この期間、無料だったためもあってか、行ってみたらやはり行列。一度に15人程度しか入れないので、結局1時間ほど待ってようやく入ることができた。



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Mediolanum(メディオラヌム)。
ヴェネツィアはまだ、せいぜい猟や漁で生活を営む人々が、ラグーナ(laguna)に掘建て小屋を建てて暮らしていたころ、現在のミラノは、メディオラヌム(間の地)と呼ばれすでに町として発展していた。
紀元前222年にローマに征服され、ジュリオ・チェーザレ(カエサル)の時代にガリア地方の拠点としてローマ市民権を与えられる。そして、紀元後285年、皇帝ディオクレティアヌスがローマの分割統治を決めた際、メディオラヌムは西ローマ帝国の首都に定められ、共同皇帝に任命されたマクシミアヌスがこの地を治めた。

近現代やバロックの建物に混じって、古代遺跡が文字通りごろごろしているローマに比べると「ローマ」度が低いように見えるミラノだが、中心部には地下に、今でもその跡がいくつも確認されている。

この「アンブロジアーナ地下」は、その1つ。
図書館・絵画館の正面入口に向かって右側の壁に、専用の小さな入口がある。

ローマのフォロ・ロマーノにも見られる通り、フォロは(foro)は市民が集う広場で、
地方議会堂、神殿、裁判所、そしてお店や工房に囲まれた、名実ともに町の中心地だった。のちに、地元の有力家系のボッローメオ枢機卿がここに「ミラノ市民のための」図書館を建てたのは、決して偶然ではない。
19世紀末から20世紀初めにかけて、このあたりの遺跡が発見されたが、1990-92年、アンブロジアーナ図書館で大規模な工事を行なった際、合わせて専門家の指導により考古学調査を実施したところ、フォロの一部の舗床が見つかった。

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入口から狭い階段を降りると、見えるのは地味な(失礼!)石畳のみ。 フォロは、住宅やテルメなどの公共施設の建物でなく屋外だから、一般にモザイクなどの装飾はない。
現在、公開されているのは、90年代に見つかったフォロ遺跡のうち、その最も保存状態のいい部分。大きさはまちまちだが、いずれも長方形に切った石がびっしりと並べられている。石は、ヴェローナのピンクがかった石。ここにいるとわからないが、これがきっちり、南北・東西の方向に向いているという。

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調査によると、この広場は町の中でも最も高いところに作られ、紀元前1世紀のものとされる。 やがてヴェネツィアのパラッツォ・ドゥカーレなどでも重用される、 ヴェローナの石が建材に使われるようになったのは、ちょうどこの頃からだった。

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紀元後には城壁ができ、広場の大きさが変わり、やがて数百年にわたるミラノの町の変化にともない、広場はその本来の役割を失ってゆく。古い建物や施設の建材は、ほかの建物などの建設に再利用されていった。
1033年からは、サンティッシマ・トリニタ教会(現在のサン・セポルクロ教会)の建造が始まる。そのクリプタ(地下聖堂)の床にもフォロの舗石が再利用された。

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井戸はかなり時代が下って、中世後期のもの。
広場北側は15世紀まで市場の立つ広場として使われていたが、16世紀、アンブロジアーナ図書館の建設に伴い、その建物内に埋め込まれた格好となった。

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余談だが、冬の寒空の下、列に並ぶ人々が、新聞を読んだりそれぞれ連れや前後の人と話をするくらいでひときわ騒ぐこともなく、とくに文句も言わず、さらに最大のポイントは誰も横入りやズルをすることもなく、おとなしく順番を待っていたのに心底驚いた。まるでイタリアではないみたい・・・。

Foro Romano
Biblioteca Ambrosiana, Milano
Tel. 02 806921
2014年の公開は、毎月第一土曜日の10.30-16.30

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4 feb 2014
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by fumieve | 2014-02-05 06:08 | ほかのイタリア
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