ブログトップ

ヴェネツィア ときどき イタリア

fumiemve.exblog.jp

「フォルトゥニーの春」三嶋りつ恵さん、ふたたび。

a0091348_2052221.jpg


日本ではほとんど、報道すらされていないのは悲しい限りだが、3月8日は「国際女性の日(International Woman’s Day)」。ミモザの花をプレゼントするかどうかはともかく、女性の権利や保護について考える日であり、イタリアではまず、大統領府で公式行事が行なわれるほか、各地で女性にちなんだシンポジウムやイベントがこの時期、多く開催される。

ヴェネツィアではこれに合わせ(たのかどうか?)、8日にフォルトゥニー美術館で新しい企画展が始まった。ここ数年定番となっている「フォルトゥニーの春」というタイトルで、複数の作家による複合展。
デザイナーにして企業家、無類の美術コレクターでもあったマリアーノ・フォルトゥニー氏の邸宅美術館は毎回、現代美術を中心に、その独特の展示空間との調和を利用した企画展で楽しませてくれる。
今回は、女性アーチストに焦点を絞った展覧会。4名+たくさんの女性作家の中に、ヴェネツィアと日本で活躍する三嶋りつ恵さんも含まれている。




a0091348_20522740.jpg


昨年、ヴェネツィアのグリマーニ館ですばらしい個展を開催したばかりの三嶋さんの作品、今回は、このフォルトゥニー館のメイン・フロアで、あたかもインテリアの1部のようにさりげなく並んでいる。グリマーニ家は16世紀の美術コレクター、修復された石と漆喰のルネサンス邸宅の中に調和していた三嶋さんのガラスが、今度は、20世紀のコレクターのサロンで、すっかりなじんでいる。

a0091348_20553896.jpg


a0091348_20522957.jpg


a0091348_2052389.jpg


とくに絵画やほかの彫刻作品との対比が見事で、女性のヌードばかり集めたこのコーナーにおいて、この作品以外にあり得ない!という絶妙な展示。

a0091348_20523235.jpg


個展に比べ作品数は限られるものの、これはこれで面白い。

a0091348_20523636.jpg


このヌードの近くに、ある意味、三嶋さんのガラス以上にもとのフォルトゥニー氏のコレクションにすっかり組み込まれていたのは、バルバラ・パガニンというヴェネツィア生まれの作家の作品。 コラージュによるブローチは、その1つ1つが「記憶」なのだという。

a0091348_2058295.jpg


a0091348_20595637.jpg


a0091348_20591557.jpg


同じフロアで、やはり環境に溶け込みつつも強い主張を放っていたのは、ドラ・マール。ピカソの愛人でモデルとして知られるが、本人はれっきとした写真家。ピカソの「ゲルニカ」制作過程の一連の写真も大変興味深いが、それ以外にも多くの写真を撮っていた。

a0091348_20521038.jpg


a0091348_2052149.jpg


a0091348_20561498.jpg


a0091348_20552981.jpg


a0091348_20563145.jpg


a0091348_20561852.jpg


とくに好きだったのは、やはり「ヌード」のコーナーのこちら。写真だけでみてもよし、それがまたフォルトゥニー・オリジナルのファブリックと相まって、ほかではあり得ない効果を発揮している。

a0091348_20554586.jpg


a0091348_20554183.jpg


これらの作家たちと離して、1つ上のフロアで、実質個展となっていたのは、ノルウェー出身の Anne-Karin Furunes。かつてこの屋敷に集った人々の写真なから、いくつか女性のものを選んで、巨大なスクリーンに引き延ばした。

a0091348_20524717.jpg


a0091348_20525266.jpg


ちなみに、ドラ・マールを除く上記3名、1961-62年生まれとほぼ同世代。

最後に、1階を占めているのは女性写真家たちの写真群。

a0091348_210634.jpg


a0091348_2111436.jpg


(ほかの多くの芸術と同じように)その誕生以来長く「男性専科」と思われていた写真という分野で、仕事を残した女性たちもいる。19世紀から20世紀にかけての、女性写真家による写真は、ヴェネツィアの個人コレクションから。
上記、ドラ・マールの作品は、上階に数多く出展されているが、ここではより多くの写真家たちを一同に紹介している。彼女たちの写真が、たとえば同時代の男性写真家たちの写真と、何か違いがあるのかどうか、私にはよくわからない。優劣をつけようというわけでもなく、ただ、忘れ去られがちな彼女らの存在を、はっきりと知覚し直すのは悪くない。

あまりにも主張の強いこの空間での企画展は、実は前回あたり、そろそろ食傷ぎみになってきた・・・と思ったりしていたが、いやいやなんのその。この空間だからこその展示と、それでいてまた新しい発想と発見に、うわっやっぱりいいな、と、どきどきしながら観た。

(写真は許可を得て撮影しています。)

Dora Maar. Nonostante Picasso
Anne-Karin Furunes. Shadows
Barbara Paganin. Memoria Aperta
Ritsue Mishima. Tras Forma
Le amazzoni della fotografia. Dalla collezione di Mario Trevisan

Palazzo Fortuny
8 mar - 14 lug 2014
http://fortuny.visitmuve.it

a0091348_2112866.jpg


9 marzo 2014
[PR]
by fumieve | 2014-03-09 21:03 | 見る・観る
<< ウディネでまたおいしいお店!タ... グレート・ビューティー 追憶の... >>