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ヴェネツィア ときどき イタリア

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「ティッツィアーノ、ある自画像」、コッレール美術館

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夭逝、あるいは遅筆のため作品数の少ない画家はもちろん、16世紀当時としては異例なくらい長生きしたと言える、テッツィアーノにしてもやはり、作品の真筆、帰属問題は多く存在する。
悪意ある贋作ももちろんあるが、それ以上に、当時は工房単位で仕事をするのが普通で、師匠の名前で受けた仕事を、本人が弟子達にその一部や大半を手伝わせるのは当たり前のことだったし、また、弟子たちも師匠の見本帳を模写して学んでいたためでもある。

その中で、ヴェネツィアを代表する画家、ティツィアーノは確か、どちらかというと自分1人で作品を仕上げるのを好んだはずだが、それでも、工房や周辺の画家によるスケッチというのはいくらでもあり得る。

この、鉛筆による「自画像」はかなり最近になって「発見」され、現在では複数の専門家の間で真筆と支持されているもの。もちろん、まだまだ認めていない学者もいるはずだが。初めて公開されたのが、2007年、ベッルーノの展覧会で、とあり、ということは私も見ているはずなのだが、そう言われてみるとあったような・・・。




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今回は「企画展」というよりも、まさにこの1点のみの展示。
コッレール美術館内、常設展の中に置かれている。

額から鼻、顎にかけての輪郭は最低限の、しっかりしたラインで迷いなく。キャップをつけた頭、髪、ひげの部分は細かいタッチで柔らかく。耳がずいぶん細かく描きこまれているのが気になる。

美しいスケッチ。何より、よく知られている晩年の自画像(油彩)によく似ている。通常、右利きだと描きづらい、右向きの横顔なのがやや気になるが、ティッツィアーノの場合、自画像を含む多くの肖像画で、案外右向きのものが多い。(ひょっとして左利きだったのだっけ?と思ったり・・・未確認)

真筆なのかどうか、私にはわからない。
ちょっとできすぎ、のような気もするけど、それはこの巨匠を前にして失礼というものだろう。6月ごろに、シンポジウムも予定されているというし、詳細についてはその機会を楽しみに待とうと思う。

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(写真、一番上は公式サイトから、残り2枚は、許可を得て撮影しています。・・・あまりきれいに撮れていないけど・・・)

テッツィアーノ、ある自画像
素描における自筆問題
コッレール美術館
3月29日〜6月15日

Tiziano, un autoritratto.
Problemi di autografia nella grafica tizianesca
Museo Correr, Venezia
29 mar - 15 giu 2014
http://correr.visitmuve.it/it/mostre/mostre-in-corso/tiziano-autoritratto-grafica/2014/01/10208/la-mostra-5/

29 mar 2014
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by fumieve | 2014-03-29 16:14 | 見る・観る
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