ブログトップ

ヴェネツィア ときどき イタリア

fumiemve.exblog.jp

ミラノ・デザインの底力〜「やわらかな家」ポルディ・ペッツォーリ美術館

a0091348_21211348.jpg


現在、東京BUNKAMURA にて大展覧会を行なっているミラノのポルディ・ペッツォーリ美術館。ロゴにまでなっている「貴婦人の肖像」をはじめ、同館の常設展示の中でも館を代表する主な作品のほとんどが出ているのでは?・・・というくらいに東京展(大阪にも巡回)が充実しており、その間、通常通り開館している本館はいったいどうなっているのだろう?と興味もあった。

昨年同様、ミラノ・サローネ国際家具見本市、フオーリ・サローネの期間を少し延長して、「やわらかな家、アートとデザインの間で」といタイトルで、デザイン&家具の企画展を開催中。

そういえば昨年は「本」がテーマだったが、今年は「やわらかな」家具。
作品やデザイナー家具そのものもいいのだが、今回はとくに、展示の面白さに唸った。



a0091348_21115689.jpg


たとえば、館内、2階のメイン展示室への豪華な階段。噴水の横で自己主張しているのは、カルラ・トロメオ(Carla Tolomeo)のPisces Chair。よく見ると赤やピンクのお魚モチーフの椅子は、まさにこの場にぴったり。

a0091348_2112178.jpg


というのも、この噴水にはほんとに金魚が泳いでいるから!

a0091348_21123741.jpg


日本や、ほかのミラノの展覧会に貸出し中の作品の場所には、この「柔らかい家具」展の作品がさりげなく。もちろん、それ以外に館のほかの所蔵作品を置いているところもあるが、とくに絵画だけでなく、15-18世紀のビロード地など、これも館自慢の貴重なコレクションが出ていたりして、布フェチとしてはかなり嬉しい。

a0091348_21124943.jpg


a0091348_21124957.jpg


あの、「貴婦人」の場所は・・・。

a0091348_21125129.jpg



a0091348_21124635.jpg


ふだん同室の対角にある、マンテーニャの「聖母子像」。

a0091348_21124352.jpg


こちらは言ってみれば、今回「留守番組」の中で最重要作品と言ってよく、大きさもぴったり。遜色ない展示に納得。

笑ったのはこちら。ポップな椅子のとんがり具合が、後ろの肖像画のベールのとんがりと一緒。

a0091348_21125819.jpg


a0091348_21133729.jpg


・・・これはやはりどう考えても狙ったのだろう。ほぼモノトーンの、18世紀の修道女の(まじめな)肖像画(ピントッレット、1730年ごろ)に、思いっきりカラフルで奇抜なソファ。でもまさに、ぴったり。

こちらは間違い探し。「柔らかい家」の展示作品はどれでしょう?

a0091348_2113408.jpg


答えはこちら。

a0091348_21134259.jpg


マッシミリアーノ・アダミ(Massimiliano Adami)のSharpeiという椅子。ゴブラン織りの生地をくしゃくしゃにして椅子に張ったもので、デザインはモダンでも素材がクラシックだから、やはりここにすんなりなじんでいる。

とはいえ、今回のコーディネート大賞はなんといってもこちら。

a0091348_21134421.jpg


イタリアを代表するキッチン用品メーカー、アレッシの栓抜きなどのデザインで知られるアレッサンドロ・メンディーニの”Ghost” という作品。ひょうひょうとしたかわいさが「おばけ」らしくないのだが、よく見ると後ろには、寝込みを刃物で襲いかかられている場面が・・・。

a0091348_21135797.jpg


「両親を殺す聖ジュリアーノ」という16世紀はじめのチロル地方の木彫彩色、うわっそれは化けて出るわ・・・。

a0091348_2117442.jpg


この邸宅の持ち主で美術館の基となったコレクター、ジャンジャコモ・ポルディ・ペッツォーリ氏の書斎。イタリア文学の父、ダンテをモチーフにしたステンドグラスにはさまれ、母の胸像の横にさりげなく置かれているのは、これまたイタリアの家具メーカー、カッシーナの肘掛け椅子。1984年、ガエターノ・ペッシェのデザイン。はやりすたりのあるように見えるデザイン界でも、いいデザインは時代を越えて美しい。

a0091348_2118355.jpg


やはり日本に、カナレットやティエポロなどを出している「ヴェネツィア18世紀の間」はブルーを基調に。

a0091348_21181621.jpg


入口と同じ、カルラ・トロメオの椅子に、その名も「アックアアルタ/ジュデッカ」というラグ(デザインはDaniele Bortolotto, Giorgia Zanellato、ルベッリ製)、そして大きなレースは、花嫁用ヴェールで、これは19世紀初めのベルギー製。

a0091348_21185110.jpg


いつも「貴婦人」のある「黄金の間」に、ヴィジター用に置かれている組み合わせ自由なソファは、ガエタノ・ペッシェの”La Michetta”という作品。別の部屋で展示の1つとなっていた。(もちろんこれは、座ってOK)

a0091348_21192621.jpg


ニュートラルで透明な、ミニマムで無の空間を提供する日本のデザインがここ数年ミラノのデザイン界のトレンドになっているが、一方で、ミラノのデザインの何たるか・・・をがつんと、でも余裕でさらっと見せられた気がした。
伝統とアイディアと、ユーモアと。

ミラノ・デザインの底力、ここにあり。

a0091348_21202429.jpg


やわらかな家 アートとデザインの間で
ミラノ、ポルディ・ペッツォーリ美術館
5月5日まで

La casa morbida. Tra arte e design
Museo Poldi Pezzoli, Milano
26 mar - 5 mag 2014
www.museopoldipezzoli.it

16 aprile 2014
[PR]
by fumieve | 2014-04-16 21:24 | 見る・観る
<< 「そして父になる」イタリア吹き替え版 フオーリ・サローネ2014〜3... >>