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ヴェネツィア ときどき イタリア

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「そして父になる」イタリア吹き替え版

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イタリアではここ数日、不妊治療での受精卵取り違えが発覚し、大きな問題になっている。起きてはならないことが、科学が発達してもなお、もっと複雑な形で日々起きている。

Father and Son、「父と息子」。英題をそのまま、イタリアでも使っていたが、正直、それはないだろう、と思った。「そして父になる」という日本語のニュアンスが、「父と息子」では全く伝わらない。

見終わって思ったのは、この映画は、この原題こそがすべてではないか、ということ。





日本の映画が、それもアニメでも北野武でもない作品が、ちゃんとイタリア吹き替え版となってロードショーになるだけでも嬉しいこと。
半分は福山雅治見たさ、ところが、始まったとたんに、ハリウッド映画やアメリカのドラマなどでよく聞いている、合間にちょっと鼻歌でも歌いながらポーズをつけたりしていそうな声に吹き変わっていて、ああ、そうだった・・・。とはいえ、もともとの日本の俳優さんの声を知っていると違和感があるが、ある意味、イタリアの吹き替えはすごくうまいのでしばらく見ているうちになじんでくる。

唯一・・・でもないけれど、ずっこけた(死語?)のは、お入学の受験会場で、1日の試験が終わって、子どもたちの両親らがおそらく「本日はありがとうございました。どうぞよろしくお願いします。」とか「失礼します。」と言っていると思われる場面。スーツに身を包んだ大人たちが一斉にお辞儀をしながら「グラッツェ、アリヴェデルチ(grazie, arrivederci)」と声を揃えて言ったのには、ほんとに椅子からすべり落ちそうになった。「ありがとうございます、それではまた、さようなら」ぐらいの意味だが、グラッツェもアリヴェデルチも、基本的には相手の目を見ていうのが礼儀だし、ちょっと感じが悪くてそうでない店員とかお役所の人なんかでも、頭を下げることは絶対にないから。
「お辞儀」というジェスチャーと、イタリア語とのギャップに衝撃。
・・・といって、どう訳せばいいのかって、ほかに訳しようがないのだけど・・・。

完全に余談だが、イタリアのセリエA、インテルで活躍する長友選手が、ゴールをしたときにチームメイトに「お辞儀」をするのが「定番」になっているけれど、なるほど、あれが受けるはず。・・・な〜んて、そのあとも妙に「お辞儀」の場面が気になってしまった。

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(写真は、http://www.47news.jp/ より拝借)

だが、映画自体はというと、もしかすると期待しすぎ、だったのかもしれない。正直のところ、もっともっときてほしかった。衝撃のドラマを冷静に描く、そういう手法なのかもしれない。だが、あまりにもシンプルな対立の構造といい、結論といい、テーマとしては古典的な内容だけに、この映画での何か、が欲しかった。
「そして父になる」、タイトルがすべて。

17 aprile 2014
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by fumieve | 2014-04-18 07:52 | 映画
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